りんごの栄養とレシピ

りんごには食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは下痢にも便秘にも効くすぐれた整腸作用があるほか、コレステロール値を下げる効果もあります。カリウムは血圧を下げ、リンゴ酸は疲労を回復します。

糖質も多く含まれますが、りんごの場合は血糖値の上がり方がゆるやか。満腹感が持続するのでダイエットにも適しています。

 

台所知恵袋

Q.気になる農薬を落とすには?

りんごは見た目をきれいにするために袋をかぶせて育てることが多い果物です。「有袋栽培」といいますが、袋が農薬を分解する太陽の紫外線をさえぎってしまうため、殺虫剤などの農薬が残留しやすくなってしまいます。

最近出回っている「無袋栽培」のりんごの方が安心です。品種としては「サンふじ」、「無袋ふじ」、「無袋ゴール」などがあります。

 

収穫後の果物に残っている農薬は、8〜9割が果皮やその下層の「クチクラ層」にあります。水道の水を流しながら、スポンジなどでこすり洗いをすることで、表皮の殺菌剤を減らすことができます。皮を剥くことで「クチクラ層」の殺虫剤も落とすことができます。

切ったりんごを塩水に漬けることで、果肉まで入ってしまっている「浸透性の農薬」を溶け出させることができます。

 

野菜や果物の皮の部分には、豊富な栄養がつまっています。自然農やオーガニック、有機栽培の野菜や果物を選ぶことで、それらまで丸ごといただくことができますが、残念ながら現在ではそのような野菜や果物は多く売られていません。

 

消費者である私たちが、本来の野菜や果物の栄養を丸ごといただくために、自然農やオーガニック、有機栽培の野菜や果物を選ぶことで、少しずつ市場に出回る数が増えていくと良いですね。

 

 

りんごの皮の表面がヌルヌル光っているのを農薬だと勘違いして心配する人が多いのですが、ジョナゴールドや千秋という品種によくある、油の膜です。ふじや王林などには見られません。 ジョナゴールドなどが熟してくると、果肉のデンプンなどが糖に変わる過程で油膜が表面に出て、しっとりヌルヌルしてきますが、これは、「食べごろになったよ」という果物からのサインです。

 

 

 

東洋医学と漢方・薬膳

胃腸のはたらきをととのえる

イギリスには「An apple a day keeps the doctor away.」(1日1個のりんごは医者を遠ざける)ということわざがあり、中国でも「りんごを食べると医者いらず」といわれるほど、健康効果が高い果物です。

りんごにはビタミン(A・B群・C)、同化されやすい糖類、酵素、有機酸(リンゴ酸、クエン酸、酒石酸)、種々のミネラルがバランスよく含まれています。有機酸は、脂肪分を溶かして分解する陰性のパワーと引き締める陽性のパワーの両方をもち、消化促進や疲労回復に役立ちます。便通を良くし、血中コレステロールを下げたり、腸内の善玉菌を活性化する食物繊維のペクチン、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖、活性酸素を除去するポリフェノール、ケルセチン、エピカテキン、フラボノイドなども含まれており、心臓病やガンや炎症、アレルギーなど、種々の病気の予防や改善に役立つわけです。

 

特に酸味の強いものにはタンパク質や脂肪を分解したり、代謝のサイクルをまわす効果もあり、酸化した血液を浄化する力にすぐれています。肉をたくさん食べる欧米人にとってりんごが薬になるのは、りんごに動物性の毒消し作用があるためです。

 

穀物や動物性食品の食べ過ぎでお腹が張るときや、食べ過ぎからくる発熱には、りんごの1/2個をすりおろして食べ、残りの半分はすりおろしてしぼり汁を飲むのがおすすめ。しぼり汁は腎臓に直行して腎臓の酸化をしずめ、すりおろしりんごはその繊維が腸に作用して、腸の酸化熱をとってくれます。

※りんごに酸味がない場合は、クエン酸が豊富なレモン汁を加えて使用してください。

 

フランスでの研究によると、毎日りんごを食べ続けると血中のビタミンC濃度が2倍になるというデータがあります。りんごの可食部100gあたりのビタミンC含有量は4mg、レモン100mgと比べると圧倒的に少ないものの、レモンを食べたからといって血中のビタミンC濃度は上がりません。

ビタミンCは排出されやすく、吸収されにくく細胞に届きにくいという性質がある中で、りんごのビタミンCはレモンに比べると吸収されやすいという特徴があります。ビタミンCをうまく取り入れるためには、りんごの吸収力を利用してレモンを一緒に摂取するのがおすすめです。(参照元:r1,r2,r3,r4

 

薬効データ

体質 気虚、陰虚、陽虚
五性/五味 平/甘・酸
帰経 肺・脾・腎・肝
主な作用 せき、痰、下痢、便秘、疲労回復
注意点 消化力の弱い方は食物繊維の多い皮をむいて食べましょう。
食べ合わせ

+にんじん→発熱時の栄養補給に

りんごとにんじんは皮をむかず、はちみつと一緒にミキサーにかけてジュースに。皮ごと使うことで皮や皮の近くに含まれるビタミンやポリフェノールも摂取。発熱で消耗した体力や発汗で失われた水分を補い、疲労を回復させます。

10〜12月

選び方

果皮の色が濃く、ハリとツヤがあるもの

主な栄養素

カリウム、カルシウム、クエン酸、鉄、ビタミンC、リンゴ酸

 

 

おすすめレシピ

りんごのくず練り

くずのもつ整腸作用にりんごの代謝促進パワーをプラスして、風邪の熱でおなかの調子が悪いとき、子どもの整腸食にも。

【材料】

りんご・・・1個

水・・・大さじ3

・本くず粉・・・大さじ1と1/2

・水・・・大さじ3(本くず粉の倍量)

 

【作り方】

酸に強い鍋を用意し、1〜2センチのいちょう切りにしたりんごと大さじ3の水を加えて火にかけ、蓋をして蒸し煮にします。

りんごに透明感が出てきたら2倍の水で溶いたくずを流し入れ、木べらで返しながらしばらく煮てできあがり♪

※アルミの鍋は酸に弱いため注意。

 

 

 

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