グラフを見ても分かるように、高齢者の人口は伸び続け、2020年には全人口の28.7%を占めています。
世界的に見ても、日本の高齢者人口は最も高くなっています。
また、厚生労働省の令和2年版厚生労働白書によると、日本の平均寿命は1990年から2019年までの約30年間で約5年以上伸びており、今後の20年間でも約2年伸びると推計されているそうです。
2020年9月には100歳以上の人口が8万450人、約88%が女性*ということで、私たちは人生100年時代に対して真剣に向き合っていかなければなりません。
厚生労働省、各自治体、保険者をはじめとして行われている介護予防などの様々な取り組みもあり、平均寿命だけでなく健康寿命もまた延伸している一方で、認知症は誰でもなりうるものであり、認知症の大きな要因が加齢であることもまた事実です。
2025年 高齢者5人に1人が認知症の時代へ
平成29年度高齢者白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが2025年には5人に1人、20%が認知症になるという推計もあります。
世界規模では毎年1,000万人近く、3秒に1人が新たに認知症になる
日本を含め世界では認知症はどのような広がりを見せているのでしょうか?
WHO(世界保健機関)によると2015年、認知症有病者数は5,000万人、そして毎年1,000万人近くが新たに認知症になるとの報告もあります。
これを365日、1日、1時間、と細かく割っていくと、約3秒に1人が世界のどこかで新たに認知症になっている計算です。
私たちはこれまでの人生設計を考え直していく中で、老後と思われる時期をいかに心身ともに健やかで穏やかに過ごせるかを考え、その術を身に着けていかなければなりません。
医療の進歩によるものも大きいとは思いますが、延びた寿命をチューブがつながれた病院のベッドの上で過ごしたくはありませんよね。そうならないために、今からできることを一緒に考えてみませんか。
認知症というと?
認知症というと、脳の萎縮や脳の機能低下だと思われる方が多いと思いますが、では、その脳の萎縮や機能低下はどうして起きるのでしょうか?
脳は、内臓と自律神経やホルモンによって密接に繋がっています。これまでは、脳がすべての司令塔だと思われていたものが、逆に腸から脳に司令を出すということが科学的に分かってきています。これを脳腸相関と言いますが、例えば、食べすぎてお腹が痛くなったとき、腸は下痢を起こして余分なものを排泄してくれます。食べすぎたことで腸壁を刺激されるわけですが、腸自体が私たちに痛みを感じさせるわけではありません。腸壁が刺激されたことで腸の状態を知らせるサイトカインなどのホルモンが神経や血液を通じて、脳に腸壁が刺激されていることを知らせ、脳が私たちに身体の異変を知らせるという仕組みです。
以前私たちに一日三食は必要か?という記事にも書いたように、内臓を働かせ続けるということは、持続的に脳に危険信号を送り続けることになります。脳は内臓が異常な状態にあるという知らせを受け取り続けると、身体を守るために、記憶や集中力、言語理解を司る大脳機能を停止させて、心臓を動かしたり血圧を一定に保ったり、呼吸をすることなどの恒常性を維持させることを優先します。その結果、生命は守れますが、脳機能低下や、物忘れなどの認知症状が発症してしまいます。
脳機能低下を防ぐには?
内臓を働かせ続けること、内臓に負担をかけ続けた結果、脳機能低下や物忘れなどの認知症状発症することが分かってきました。甘いものを摂取し続けると糖尿病リスクが上がり、脂質を摂取しすぎると高脂血症のリスクが上がるように、私たちの身体は摂取した食べものによって構成されています。食べたものの消化スピードなどによって、私たちの身体への負担は大きく変わってきます。中には大きな異変が感じられずに食べ続けた結果、ある日突然大きな異常をきたすものがあります。それらのうちの3つの食材についてお話します。
1.小麦
小麦粉に水を加えることで発生する「グルテン*」という成分(モチモチした食感の素) が腸の壁と結合して、腸の壁のバリアを破ります。すると腸の壁に穴が空き、腸内細 菌やタンパク質が腸から漏れて、炎症を起こすのです(リーキーガット)。
*グルテンとは、グルテニンとグリアジンが水を吸収して発生する成分です
2.砂糖
砂糖は腸内の炎症を引き起こすというより、炎症を助長させます。 そのため、小麦と砂糖を組み合わせた食材はより炎症を起こし、 内臓機能を低下させます。 特に白砂糖や人工甘味料、ジュースは腸での吸収も早く、 より炎症を助長させやすくなります。
また、認知症を発症した人は、ソーセージ、生肉、パテなどの高度に加工された肉と、ジャガイモ、アルコール、クッキー、ケーキ、スナック菓子などの高糖質の多い食品を組み合わせて摂取している可能性が高かったという研究データもあります(r)。
3.食品添加物
農薬や食品添加物の本当のところという記事にも書いたように、私たちは雑菌を落としたり、見た目をよくしたり、保存期間を長くするために多くの食材に含まれた、体に悪い食品添加物を摂取せざるを得ない状況となっています。
たとえば保存料の代表であるソルビン酸は、ソーセージ、ハム、ベーコン、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、干物、漬物、つくだ煮、煮豆、パン、弁当、おにぎり、総菜、サンドイッチなどコンビニやスーパーで買える多くの加工食品に使われています。ソルビン酸は細菌の繁殖を抑えて腐りにくくしてくれる一方、過剰に摂取し続けると腸内細菌の繁殖も抑えてしまい腸内環境を乱す可能性があります。腸内細菌は便通に関わるだけでなく、健康な体に必要なビタミンやミネラルを合成しています。つまり保存料を過剰に摂ることは、体全体に関わる問題になりうるということです。本来、調理した食べ物は時間と共に細菌が増え腐っていきます。だからこそ、食べ物はできたてが一番安全にいただけるのです。
その他、食品添加物には発癌作用や体の毒になる成分が多く含まれており、 私たちの体内の免疫細胞は、摂取された悪い成分を退治するために働き続けることになります。免疫細胞が休みなく働き続けることによっても、脳は身体の異常を感知することになります。
今の日本では、小麦、砂糖、食品添加物を摂取しないのは非常に難しくなっています。 無理をして身体を壊しては元も子もありませんが、毎日の食事で摂取し続けないことが大切です。
認知症状を改善できるか?
食べものの摂取によって認知症状が現れるのであれば、逆に食べるものを選ぶことで認知症状を改善させたり、予防していくことができるのはないでしょうか?
先程の研究データでも見られたように、認知症状を発症した方の中には、炭水化物(糖質)と脂質、添加物という組み合わせの食事を摂っていたことが多いことが分かりました。
これまでの過去の研究で、葉物野菜、ベリー類、ナッツ類、魚などを食べることで認知症のリスクが下がることも分かってきていますが、健康に良いと聞いたからと、単一の食べものを摂取するのではなく、様々な身体に良い食べものを栄養のバランスを考えて多様的に摂ることが大切になります。
自分が高齢になってから意識するのではなく、認知症状を発症してからではなく、今からできることを一つずつ始めてみませんか?当サイトでは、添加物をなるべく摂らないように、信頼できるところで購入した食材を使った手作りレシピをご紹介しています。毎日手作りというと多忙な生活の中で『無理!』と思われる方もいるかもしれませんが、今の時代には、それを簡単にできるような調理器具も多数あります。それらを使って手間を減らしながら、身体に良くて美味しい食事を簡単に作ることができます。『何が何でも毎日必ず、絶対手作り!』となる必要はありません。今よりも少しずつ良くしていくことで、私たちの未来の身体は確実に変わっていくはずです。
そんな生活に役立つ、私が利用していて良かったと思う健康調理器具を使ったレシピをご紹介していますので、サイトの中をいろいろとご覧になってみてください。
私たちはひとりひとり、生まれてきたときから口にしてきたものが違う。カラダもココロも口に入れたものからできているのだから、誰かと違うのは当たり前で、違っていることを気にする必要はない。
ただ、人によっては長年口に入れてきたもののせいで今心身のなんらかの不調を感じているかもしれない。
でも今は食べものも物も溢れている時代。関心を持って知っていけば、今の自分に何が必要なのか分かるようになるし、それを手に入れることができる。自分で選択して自分のありたい姿を創造することができる。
何となく、ちょっとこれはカラダに良くないって聞いたからやめとこうかな・・・だと、ちょっとぐらいいいか、明日からやめよう、と簡単にリミットが外れてしまうけど、どうして良くないのかってちょっと理屈が分かるだけで、すんなりやめられることもある。その理屈は人それぞれ。その人の腑に落ちるためには、その人自身が関心を持って、知りたいっていう気持ちになることが大切。
大切な誰かのことを思っている気持ちはとても尊いけれど、自分が腑に落ちたことをそのまま伝えても、その人にはうまく伝わらないこともある。誰かを変えたいと思ったなら、まずは自分が変わること。食べものや生活スタイルを変えるだけで、180度真逆のような人になることだってある。大きく、前よりも素敵に変わったあなたを見れば、大切な誰かも関心を持ってその方法を知りたくなるし、そうやって知るとそれはその人の腑に落ちるから、その大切な誰かももっと素敵になっていきます。
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