トランス脂肪酸の問題と脂肪微量成分の偉大なるパワー

Trans(トランス)脂肪酸・・・これが問題!

不飽和脂肪酸(cis-脂肪酸)は圧力と温度を集中的に加えた製造方法により、有害なトランス脂肪酸に変化します。人間の体は、トランス脂肪酸を多量に含んだオイルをきちんと処理することができません。トランス脂肪酸は人体に対して非常に害となり、健康を損なうものです。トイシャー教授の最新の薬理学の教科書においては、油脂を工業的に処理する過程で、天然の不飽和脂肪酸(cis-脂肪酸)から生じる不飽和のトランス脂肪酸(trans-脂肪酸)の毒性についても同様に指摘されています。
 
 
すなわち、「心臓・循環器系疾患の発病の危険性を増大させるのは、トランス脂肪酸がおそらく細胞膜の燐脂質のなかに取り込まれ、その機能性にネガティブに影響することで引き起こされるのであろう。イコサトリエン酸(炭素数20で二重結合を3個もつ脂肪酸の総称)代謝も阻害される。」とあります。
 
つまり、血中の脂肪レベルが上昇し、なかでも炎症、アレルギー、痛みを抑える大切な組織ホルモン(PGE1,PGE3)の生成が阻害されるため、免疫系も長期的に損なわれることになります。
 
トランス脂肪酸は、近年、ガン疾患を引き起こし、ガン細胞を増殖させるともみられています。
 
 
 

小さいがすごい・・・脂肪微量成分

植物オイルの中に非常に少量しか含まれない脂肪微量成分は、植物だけでなく、人間にとっても至宝といえる物質で、植物色素、フィトステロール、微量元素、芳香物質、ビタミンが挙げられます。
 
 
ちなみに脂肪微量成分を、化粧品業界ではUVS(不鹸化物)と呼びます。すなわち油脂をアルカリとともに加熱すると石けんができます。中性脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解されますが、脂肪微量成分は油脂ではないので、鹸化されません。
 
 
長い間、この物質は研究者たちに注目されていませんでした。植物の代謝に直接役立つものはないため、植物の廃棄物質とみなされていたのです。研究者たちは数十年前にようやく、この植物含有物質とその健康に対する作用にようやく興味をもち、研究し始めました。最近では、不飽和脂肪酸がこのすばらしい脂肪微量成分と一緒に働いたときだけ、有効性を全面的に発揮することが知られてきています。
 
 
 
多面的な作用
この小さいが素晴らしい物質は『ラジカル捕捉剤』として働きます。すなわち攻撃的な分子(フリーラジカル)と結合し、それらを無害にします。こうした方法で、微量成分は喘息や関節疾患などの数多くの慢性疾患を予防し、細胞膜障害またはDNS(遺伝物質)障害などの細胞損傷と若年性老化肌から守ります。さらに脂肪微量成分は免疫系を強化し、細胞の修復メカニズムを改善し、その活性を高めます。また、代謝活性物質として体のなかの多くの生化学反応を調節します。
 
 
例として、いくつかの重要な脂肪微量成分とその特徴を、簡単に記してみます。いずれにせよ、あるオイルの含有物質、脂肪酸と微量成分をトータルに使った場合だけ、最高の効果を発揮することができる事実に留意すべきです。

フラボノイド

(植物色素)

免疫系を強壮にし、皮膚細胞と粘膜細胞の成長と再生プロセスを促進し、皮膚の角質化プロセスをコントロールして、皮膚が若くしなやかに保たれるようにする。

ビタミンE

(トコフェロール)

心臓、循環と神経系を強化し、細胞呼吸、血行と血液の流動性を高め、フリーラジカルから守る偉大な細胞保護剤である。
カロチノイド たとえばプロビタミンAは、皮膚と粘膜を再生し、鳥目にも効く。
フィトステロール コレステロールレベルを下げ、血行を促進し、刺激をやわらげ、かゆみ刺激を軽減し、皮膚をやわらかくしなやかにする。
レシチン コレステロールレベルを下げ、肝機能と脳機能を促進し、集中力を高め、ストレス蓄積レベルを引き下げる。
微量要素 極めて低濃度で細胞の重要な反応をコントロールする。
芳香物質 治癒効果があり、たとえば痛みを軽減し、炎症を抑制する。

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