エッセンシャルオイルとは?

エッセンシャルオイルとは、植物の花や葉、樹脂、樹皮などの細胞組織内にある小さな袋「油のう」から抽出される芳香物質のことです。植物が生きていくうえで必要不可欠(エッセンシャル)な人間にとっての血液のようなもので、植物の生命体と言われるほど強力なパワーがぎゅっと濃縮されているものです。100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含まず、アルコール希釈などをしていない芳香成分だけでできたものです。そのため、植物から採れる芳香成分はほんのわずか。たとえば、1000kgの植物からラベンダーでは10〜30kg、ローズはたったの100〜300gほどのエッセンシャルオイルしか採れません。

 

エッセンシャルオイルの芳香成分は、有機化合物で天然の化学物質が数十から数百種も集まってできています。そしてそれらの成有機化合物にはそれぞれに性質があり、どの成分がどのぐぐらい含まれているかによって、香りや働きが異なってきます。たとえばやさしい香りのラベンダーの香りをかぐと気持ちが落ち着き、フレッシュな香りのオレンジをかぐと気持ちが前向きにエネルギッシュになるのは、含まれている成分に違いがあるからなのです。

 

エッセンシャルオイルのケモタイプとは?

タイム、ローズマリーなどにはケモタイプというものがあります。単一の種であるのに、エッセンシャルオイルの成分の構成比率に著しく違いが生じるもののことをケモタイプといいます。

エッセンシャルオイルの原料となる植物の日照時間や季節変動などの生育環境の違いによって、同じ植物でありながらエッセンシャルオイルの成分に差異が生じます。

 

 

エッセンシャルオイルの3つの特徴
 

特徴1:芳香性

エッセンシャルオイルをボトルのふたを開けたとたん、とても強い香りを放ちます。

 

特徴2:揮発性

ボトルを開けたまま放置してしまうと、どんどん蒸発してしまいます。使い終わったらボトルのふたはすぐに閉めましょう。

エッセンシャルオイルは、それぞれ香りの持続性(ノート)が違います。ノートの違うエッセンシャルオイルをブレンドすることで香りが長持ちし、バランスがよくなります。

トップノート・・・揮発が早い成分が含まれています。ブレンドした場合は、まず最初に香りがたつものです。

ミドルノート・・・揮発速度が中程度のもの。ブレンドした場合はトップノートに続いてあらわれる香りで、これによって全体的な香りの印象が決まります。

ベースノート・・・時間が経つとほのかに香り、数時間以上持続します。ブレンドした場合は、揮発速度が早い成分を定着させ、香りを長持ちさせる効果があります。

 

特徴3:親油性

水には溶けにくく、油には溶けやすい性質をもっています。そのためマッサージに使用するキャリアオイルなどにはよく溶けます。たとえば目立つ毛穴をケアしたい場合には皮脂量のコントロールや保湿効果などの成分が多く含まれるといわれるているオイルや、シワやたるみをケアしたい場合には保湿効果や細胞活性化作用のあるオイルなど、求める効果効能に合わせたオイルをチョイスして、キャリアオイルに適量を溶かしたあとに精製水やグリセリンを必要に応じて加えたものをよく振ると、その時々の肌のコンディションに合わせた手作りコスメが出来上がります。

 

 

エッセンシャルオイルの3つの抽出方法

抽出方法1:水蒸気蒸留法

蒸留釜に原料となる芳香植物を入れ、下から蒸気を通します。蒸気の熱によって揮発成分が水などとともに蒸気となります。これを冷却すると、上澄みにエッセンシャルオイル、その下には芳香成分を少し含んだ水(芳香蒸留水=フローラルウォーター)が作られます。現在もっとも多く行われている抽出方法です。

 

抽出方法2:溶剤抽出法(アブソリュート)

有機溶剤(アルコール)に原料の芳香植物を漬け込み、これを低い温度で揮発させる方法です。揮発させた後は軟膏状の固形物が残ります。それに再びアルコールを加えて溶かし、さらに揮発させてエッセンシャルオイルを作り出します。ローズやジャスミン、ネロリなどの微妙な香りを抽出するのに使われる方法です。この方法で得られたエッセンシャルオイルはアブソリュートと呼ばれます。

 

抽出方法3:圧搾法

レモンやオレンジなど、柑橘類の果皮を器具で押しつぶしてエッセンシャルオイルを得る方法です。この場合は「エッセンス」と言い、厳密には「エッセンシャルオイル」とは違いますが、一般に広くエッセンシャルオイルとして扱われています。

 

 

7つの香りの特徴

エッセンシャルオイルの香りは7つのグループに分類されます。同じ香りのグループや隣り合ったグループの香りはブレンドの相性が良いとされているので、覚えておくと複数のオイルをブレンドする時に役立ちます。

 

 

ブレンドファクターとは?

ブレンドファクターとは、香りの強さを表すものです。1がもっとも強く、数字が上がるにつれて弱くなります。

ブレンドファクター1 > ブレンドファクター10

 

エッセンシャルオイルの選び方

最近では、100円ショップや雑貨店などでも「アロマ〜」などと銘打ったグッズをよく見かけますが、中には合成オイルで作られているものもあるので気をつけましょう。合成のアロマオイル(フレグランスオイルともいう)やポプリオイルなどは、気に入った香りを楽しみ、なんとなくリラックスすることはできるかもしれませんが、エッセンシャルオイルの芳香成分に期待するような効果が得られることはありません。

 

ウィキペディアにわかりやすい説明があったので、以下にそちらを引用させていただきます。

アロマオイル

アロマオイル(Aroma oil)は、精油(エッセンシャルオイル)をアルコールやキャリアオイルなどで希釈し、バーナーなどの器具を使い芳香を楽しんだり、フレグランス効果を得るために化粧品として体に直接使用される油製品のこと。フレグランスオイル(Fragrance oil)とも言う。 純度100%である精油と混同されることも多いが全くの別物であり、精油として使用すると様々な問題の原因となることもある。 またメーカーや店によってはエッセンシャルオイルをアロマオイルと表示している所もあり、品名の表記が一定していない。本物の精油を使った製品かどうか説明文をよく読み確認する必要がある。アロマオイルと用途が似たものにポプリオイルがある。

 

ポプリオイル

ポプリオイルはポプリを作る際に香りのベースとして少量加えられる、精油や合成香料を鉱物油やアルコール、その他の溶剤で希釈したもの。 ポプリの香りを一定期間持続させるためにポプリに加える目的で作られた、合成香料を含む芳香用オイルである。精油(エッセンシャルオイル)は全く含まれていないか、ごく微量にしか含まれていない。 また基材となる溶剤も植物性・動物性の天然のオイルではなく鉱物油やアルコールなどが使われることがほとんどである(鉱物油を使用するのは使用中の品質の劣化が少ないという利点も有る)。そのため精油よりもかなり安価である。 精油(エッセンシャルオイル)と混同されがちであるが、天然成分100%である精油とは全く違うものである。アロマテラピーでは使用しない。

 

良質なエッセンシャルオイルを選ぶためのチェックポイント

1、天然成分100%であること。

2、化学合成された香料が使われていないこと。

3、アルコールや鉱物オイルなどで希釈されていないこと。

4、成分や抽出方法、抽出部位、製造年月日、原材料の産地などが明確であること。

 

 

 

薬とエッセンシャルオイルのちがい

植物から必要な成分だけを取り出し、化学成分を混ぜ合わせて作った薬は、即効性や症状を抑える力は強いのですが、副作用がある場合があります。一方天然成分100%のエッセンシャルオイルは、薬ほどの即効性はありませんが、長期間使用する場合でも副作用が少なく、不調を根本からケアできるメリットがあります。

さらにエッセンシャルオイルは神経異形に対する薬理効果と、香りの情動への働きかけがともなって心の不調も自然と癒されます。

植物の力は無限大。薬のように単に症状を抑えるような対症療法ではなく、人のもつ治ろうとする力(自然治癒力)を引き出し、心身の不調を根本からケアしてくれます。

 

エッセンシャルオイルには数十から数百種類の有機化合物が含まれています。なかには毒性をもつものもありますが、ほかの成分が毒性を中和したり、緩和したりして調整しています。

ある実験で、ユーカリのエッセンシャルオイルに含まれる抗ウイルス作用があると言われている「1.8シネオール」という成分を単独で抽出したらアレルギー反応が出たのに対し、ユーカリのエッセンシャルオイルそのものをしようしたときにはアレルギー反応が出なかったという報告もあります。これは、ほかの成分をのぞくことでエッセンシャルオイル全体のバランスが崩れたからだといえまう。つまりエッセンシャルオイルは抽出されたそのままで使用することで初めて、すばらしい薬理効果をもたらすのです。

 

エッセンシャルオイルの保存方法と使用上の注意

天然成分100%のエッセンシャルオイルは、とても強力であり、とてもデリケートなものです。保存方法や使用方法には注意が必要です。

1、飲んではいけません

ヨーロップアの医療機関では内服をすすめるケースがありますが、あくまでも医師の専門的な指導のもとに行われています。決して個人の判断で飲んではいけません。もし、誤って飲んでしまった場合は、すぐに吐き出し、大量の水で口をすすぎ、病院に行って検査を受けてください。目に入ってしまった場合も同様です。

 

2、原液を直接肌につけてはいけません

エッセンシャルオイルは、天然の植物が凝縮されているものです。直接肌につけるには刺激が強すぎるので気をつけましょう。肌に使うときは必ずキャリアオイルや水などで希釈して使います。

 

*例外的に原液のまま肌につけても良いエッセンシャルオイル

ラベンダーとティートリーに限っては、特に希釈しなくても原液のまま肌につけることができます。ビギナーにも親しみやすいエッセンシャルオイルです。切り傷ややけど、皮膚炎などの症状には綿棒に染み込ませて患部に塗るようにします。

 

3、肌につける前にパッチテストを

マッサージオイルなどにエッセンシャルオイルをブレンドする場合、その前に必ずそれぞれのエッセンシャルオイルのパッチテストを行ってください。腕の内側に適量を塗り、肌が赤くなる、かゆくなるなどの以上が出たら、そのエッセンシャルオイルは使わないでください。

 

4、効能と危険性をしっかり把握して使いましょう

高血圧・低血圧の人、てんかんなどの疾患、体調や体質によって、使用を控えた方がよいエッセンシャルオイルがあります。柑橘系のエッセンシャルオイルなどには、光毒性(光感作作用)のあるものもあり、皮膚に塗布した状態で直射日光に当たると、紫外線とエッセンシャルオイルの成分が反応し、発赤や色素沈着を起こすことがあります。使用する際には注意してください。

使用に注意が必要なエッセンシャルオイル一覧

 

5、妊婦さんのための注意

エッセンシャルオイルのなかには、子宮の収縮を促したり、生理を引き起こしたりするものもあります。使用に注意が必要なエッセンシャルオイル一覧でご確認ください。アロマバスやマッサージなどを行う時は専門家に相談しましょう。

 

6、子どものための注意

子どもは抵抗力が弱く、体重も少ないので、大人に比べてエッセンシャルオイルの影響を受けやすいといわれていますので、使用する際には注意が必要です。

乳幼児(0か月〜3歳)

芳香浴以外での使用は不可。芳香浴には、火を使わないディフューザーがおすすめです。長時間拡散しないようにご注意ください。

子ども(4歳〜14歳)

バスやマッサージでの使用もできますが、低濃度から使用し始め、大人の1/2以下の濃度にしましょう。ラベンダー、カモミール・ローマン、ティートリーなどは作用が穏やかなのでおすすめです。15歳以上は、成人と同じ使用量でかまいません。

 

7、火気のそばで使うのは避けましょう

エッセンシャルオイルは引火する可能性があります。ガスコンロやガスレンジ、キャンドルなどの火気のそばでの使用はやめてください。火を使うオイルウォーマーの場合には、正しい使用方法を守りましょう。

 

8、冷暗所で保管し、使用期限内に使いましょう

エッセンシャルオイルは、光や熱、空気、湿気などの影響を受けやすい性質をもっています。使用後はすぐにキャップをしっかりと閉め、湿度の高いバスルームなどには置かないようにしてください。特に高温多湿になる夏は冷蔵庫で保管すると良いでしょう。

子どもやペットの手の届かないところで保管してください。

また、エッセンシャルオイルには使用期限があります。パッケージに表示されている場合は、その使用期限を守ってください。目安としては、柑橘系のエッセンシャルオイルは6ヶ月未満、その他のエッセンシャルオイルは2〜3年が使用期限となります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました