腸内細菌の種類と働き

私たちが真の健康を手に入れるためにすべきことがだいぶ見えてきました。結局、からだが本来持っている機能を助けるものをどんどん取り入れること、逆に、からだの働きの邪魔をするものは摂らないこと、簡単にいえば、ただそれだけです。からだはどんな機能を持ってどんな働きをしているか、その働きを助けたり高めるものはどんなものがあるか、逆にどんなことによって阻害されてしまうのか、それらを知れば私たちは本当の健康体になることができるのです。

兎にも角にも腸をキレイにするのがもっとも重要なファーストステップです。さまざまなアプローチで腸をキレイにしたら、次に大事なのが腸内細菌のバランスです。

私たちの免疫機能の7割は腸内菌が担ってくれています。腸内細菌には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌と、ウェルシュ菌やブドウ球菌、大腸菌(有毒株)などの悪玉菌、バクテロイデスや大腸菌(無毒株)、連鎖球菌などの日和見菌があり、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7、そのバランスがとれていることで腸内環境が整って、良い働きをしてくれることになります。悪玉菌がいなくなってしまうと善玉菌が働かなくなるため、食べものの消化や必要な栄養の吸収ができなくなってしまいます。一見不要と思われる悪玉菌ですが、このような重要な役割があります。

このように私たちのからだに有益に働き、腸の健康を促進する生きた微生物をプロバイオティクスといいます。発酵食品などに多く含まれており、特に乳酸菌というと、私たちの身近なスーパーに売っているヨーグルトに入っているビフィズス菌やブルガリカス菌が思い浮かぶと思いますが、腸内細菌は何千種類もあり、免疫力の向上、アレルギー症状の抑制、コレステロール値の低下、美肌効果、貧血の予防など、さまざまな効果があり、それぞれの腸内細菌にはやや異なった働きがあります。

プロバイオティクスが含まれる発酵食品には以下のようなものがあります。

ザワークラウト、キムチ、コンブチャ、ケフィア、未殺菌のピクルス、未殺菌の漬物、納豆など

 

発酵食品にはさまざまな腸内細菌が含まれており、オリゴ糖や食物繊維たっぷり含む野菜や果物、大豆製品など、腸内細菌が元気になるような良質な食材(プレバイオティクス)をからだに取り入れることで、どんどん活発に働き、消化器系を刺激したり、病気の原因となる細菌を撃退したり、体内でのビタミンの生成を助けてくれます。余計な薬を飲まなければ、腸内環境を良好に保つことができますが、安易に抗生物質を飲んだり、からだを酸性に傾けるものばかりを摂りすぎたり、タバコを吸ったり、強いストレスにさらされ続けていると、からだの中の菌が全滅してしまいます。善玉菌が死んでしまったり弱ってしまうことで、悪玉菌ばかりが強くなってしまいます。

乳酸菌は一般的に腸内の環境を整える効果があるとされています。乳酸菌は、腸内に入ることで糖質から乳酸をつくり出し、腸内を酸性に保つ働きがあります。食生活の乱れやストレスなどの影響で悪玉菌が優勢になると腸内がアルカリ性に傾き、悪玉菌が増殖しやすくなります。悪玉菌が増殖すると悪玉菌の出す毒素によって腸は直接的にダメージを受けるため、便秘や下痢、大腸ガンなどの原因にもなります。悪玉菌は酸に弱い性質があるため、乳酸菌が作り出す乳酸によって死んでしまいます。乳酸菌で腸内を酸性に保つことはさまざまな病気の予防や不調の改善に役立ちます。

腸内細菌叢の構成の変化、特にビフィズス菌の増加は、便の質(pH、SCFA、頻度、一貫性)を改善し、胃腸炎や感染症のリスクを減らし、一般的な幸福感を向上させ、アトピー性湿疹などのアレルギー症状の発生率を減少させるため、腸の健康の指標とみなすことができます。大腸ガンは、毒性負荷や様々な危険因子と関連することが多く、腸内細菌叢の構成が重要な役割を果たす可能性があると考えられている疾患の一つですが、多くの研究では、特にビフィズス菌の濃度が増加することで腫瘍やガンの発生率が低下するという報告されています。

食生活や環境を改善しても便の状態がなかなか安定しない場合には、腸内細菌のサプリメントを摂取するのもおすすめです。健常なヒトの腸内には約1000菌種、菌数100〜1000兆個もの腸内常在菌が腸内細菌叢を形成して生息しています。

すべての腸内細菌が入っているサプリメントはありませんし、たくさんの菌が入っていると逆に菌同士が闘ってしまうので、やたらめったらたくさんの種類の腸内細菌が入っていれば良いというものでもありません。また、腸内細菌叢は人それぞれ固有のものであるため、その効果は人によって千差万別であり、人によってはガスや膨満、下痢などの不快感を感じる場合もあるため、低量から様子を見ながら上手に取り入れてみてください。また、腸内細菌叢の住処である消化器官の細胞の健康状態も大切です。

腸内細菌の中にはずば抜けて強い菌というものをありますので、ここで整理しておきたいと思います。

プロバイオティクスの種類

ラクトバチルス・アシドフィルス(乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)

乳酸菌は、体内では消化器系、泌尿器系、生殖器系に存在します。ヨーグルトや栄養補助食品、座薬などにも含まれています。

乳酸菌には、150種類以上の種類が存在します。

プロバイオティクスの中でも最もよく使われる乳酸菌です。ヨーグルトや、味噌やテンペなどの大豆発酵食品に含まれています。乳酸菌は、膣の細菌感染症の治療に(座薬の形で)使用されています。錠剤では、大人の旅行者下痢や子供のロタウイルスによる下痢などの下痢の予防・治療に使用されています。

主に小腸に住み、アシドリン、アシドフィリン、ラクトサイジン、バクトリオシンなどを発生させてカンピロバクター、リステリア、ブドウ球菌などの病原菌や微生物と闘ってくれる。DDS、BTS、NAS、BT1386 女性の性器のあたりにも存在し、大腸菌、クラミジア、ガードネレラ菌などとも闘ってくれる。

ビフィズス菌

ビフィズス菌には、約30種類の菌株があります。

ビフィズス菌は、不健康な細菌からの保護に役立つと考えられています。また、ビフィズス菌はIBSの症状を和らげる効果もあるそうです(s)。ビフィズス菌は、乳酸菌と組み合わせることで、新生児の湿疹を予防する可能性があると言われています。

ビフィズス菌インファンティスは、腹痛、ガス、膨満感などのIBSの症状を緩和すると考えられています。

ビフィズス菌ラクティスは、女性や2型糖尿病の人のコレステロール値を改善することが報告されています。

ビフィズス菌ロンガムは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみ、目やのどの自覚症状などの花粉症症状を緩和することがほうこくされています。

多くの研究ではビフィズス菌の減少が病気の原因になっているといわれています。ビフィズス菌は大腸に住み、宿便や腐った糞便を好んで食べてくれたり、発ガン物質を殺してくれたり、ビタミンB群を作ってくれるといわれています。

ラクトバチルス・サリバリウス菌

酵素と同じように腸の中の栄養素の消化を助け、消化性潰瘍の原因菌であるヘリコバクター・ピロリの増殖を阻止してくれる。歯が強く硬いものを齧るのが好きなため、ビフィズス菌が食べられないような硬い宿便や糞便を好んで食べてくれる。酵素を発生させて腸粘膜の傷を修復してくれる。免疫の過剰反応を抑制してバランスをとる(s)。

ラクトバチルス・ラムノサス菌

私たちの免疫システムを増強してくれる。主に低開発国への旅行で細菌感染によって引き起こされる下痢、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)菌による下痢、急性水様性下痢、急性胃腸炎関連下痢、または抗生物質による下痢の治療に役立ちます。

抗生物質は有害な細菌だけでなく有益な腸内細菌まで殺してしまうため、抗生物質の使用中や使用後にプロバイオティックスを摂取することで、健康な腸内細菌を取り戻すことができます。

また、乳児の湿疹の予防にも効果があるとされています。ラムノサス菌は、私たちのからだにさまざまな感染ウイルスが入ってきたときに働いてくれるからだ本来に備わっている免疫力や抗体、他の腸内細菌の成長を促進します(s)。

ラクトバチルス・プランタラム

ラクトバチルス・プランタルムはその名(plant;プラント)の通り、植物由来の発酵物から主に分離されます。グラム陽性の桿菌で、 15℃~45℃で生育します。耐塩性を持つことから、日本の漬物や韓国のキムチ、ドイツのザワークラウトなどの塩分濃度が高い漬物類の発酵に役立っていて、生成する乳酸によって糠床の腐敗も抑えます。

記憶力・運動能力向上、体重減量、善玉菌を増やす、アトピー性皮膚炎の改善( s )、心血管保護( s )、病原菌をぶち殺してくれる。やや荒っぽい性格で、大腸菌の住む地域を好み、目に入った病原菌を片っ端からぶち殺してくれる、ケンカが強い荒くれ者( s )。

ストレプトコッカス・サーモフィルス

通常、私たちの消化器系、泌尿器系、生殖器系に生息し、病気を引き起こすことのない友好的な細菌です。ヨーグルトなどの発酵乳製品の製造に使われるほか、牛乳などの乳製品に含まれる糖分を体内で消化するために必要なラクターゼという酵素を産生する菌です。

他の友好的な細菌と同様、食物の分解や栄養の吸収を助け、下痢などの病気を引き起こす細菌と撃退してくれます。また、いくつかの研究では、ストレプトコッカス・サーモフィルスが乳糖不耐症の予防に役立つことが示唆されています( s )。

ラクトバチルス・ブルガリカス

この菌を始めて発見したのはブルガリア出身の医学部生であったスタメン・グリゴロフです。グリゴロフはブルガリア地方で多く食されているヨーグルトの中に、細長い形をした菌がいることを苦労して突き止め、バチルス ブルガリクスと命名しました。ブルガリクスとはその名の通りブルガリアの、という意味です。現在の分類ではラクトバチルス デルブリッキィの一亜種となっています。

一方その数年後、ロシア生まれのノーベル医学生理学賞受賞のイリア・メチニコフは「ヨーグルトによる不老長寿説」を提唱しました。ブルガリアに長寿者が多いのはそこに住む人々がヨーグルトを毎日大量に摂っているからで、ヨーグルト中の乳酸菌が腸内にすみついて、腸の腐敗を防いでいるためである、というものです。この説により、ブルガリアヨーグルトは一躍脚光を浴び、ヨーロッパ諸国にヨーグルトが広まるきっかけとなりました。その後、ブルガリクス菌はヒトの腸内に定着しないことがわかりこの説もいったんは否定されましたが、ヨーグルトの保健効果を科学的にとらえようとした先見性は、その後のプロバイオティクス研究に大きな影響をおよぼしたとして、再評価されています。

この菌の生息場所は、ヨーグルトやチーズなどの酪農製品に限定されます。乳中で生育し続けてきたためでしょうか、乳の中にしか含まれない「乳糖」を好んでえさとし、その他の糖はほとんど利用できません。ストレプトコッカス サーモフィルスと共存している場合がほとんどで、それはサーモフィルス菌が作り出す「蟻酸」が、ブルガリクス菌の生育に必要だからです。また、ブルガリクス菌はヨーグルトらしい風味の元である「アセトアルデヒド」を多く産生します。まさに、ヨーグルト菌の代表であるといえるでしょう。

ビフィドバクテリウム・ロンガム

ヒトの腸内に棲息する多くのビフィズス菌種は、年齢とともに構成比が変化します。授乳中は、母乳に含まれるヒトミルクオリゴ糖を餌とする「乳児型」が優勢的に存在し、離乳食が始まると、徐々に「成人型」のビフィズス菌が入れ替わるように増えていきます。一方で、ビフィドバクテリウム ロンガム 亜種 ロンガムは、出生後の早い時期から高齢になるまで優勢的に棲息する珍しいタイプのビフィズス菌です。このロンガム種には、感染防御作用や整腸作用、免疫力活性化、コレステロール低下作用などがあることが認められており、赤ちゃんから大人までのさまざまな疾病予防や健康維持に役立っている重要な菌だと考えられています。

腸内細菌は自然発生するわけではなく、生まれた直後に多くの菌が腸内へ進入・定着することで、腸内細菌叢が形成されます。この時に定着する細菌の種類によって、その後の免疫機能の構築や感染防御機構に違いを生じ、生涯の健康状態に影響することが報告されています。なかでも、粘膜免疫の発達や病原性細菌の感染防御において重要な役割を果たすビフィズス菌の定着は、新生児にとって非常に重要なイベントであると考えられています。これら新生児のビフィズス菌の一部は、母親から受け継がれていることが分かっています。妊娠中の母親の腸内に生息していたビフィドバクテリウム ロンガム 亜種 ロンガムと同一の菌株が出生後の子どもの腸内からも分離されたのです。母親から受け継がれた菌は、生後3ヶ月を過ぎても乳児の腸内に定着しており、乳児期に長期間棲息していることも示されました。他の種類のビフィズス菌においても同様に、母と子の両者で同一の菌株が見つかっています。病原菌の感染から身を守るビフィズス菌は、母親から乳児への大切な贈り物の一つだと考えられています。 

ラクチカゼイバチルス・カゼイ/パラカゼイ

ヒトの腸内からビフィズス菌やアシドフィルス菌が発見されるより約10年前、ドイツのフロイデンライヒはチーズの微生物を研究している過程で、チーズに独特の風味をつける細菌を発見し、1890年にバチルス アルファと命名しました。1904年に彼はバチルス・カゼイという分類名をつけて正式に発表し、その後、ラクトバチルス カゼイに分類されました。ちなみに「casei;カゼイ」とはラテン語でチーズを意味する言葉です。

時代が進み、1989年、微生物の分類手法の進展により、ラクトバチルス・カゼイからラクトバチルス・パラカゼイが分割されました。 そして2020年にラクトバチルス属細菌の分類再評価により、ラクチカゼイバチルス・カゼイとラクチカゼイバチルス・ パラカゼイに再分類され、多くの菌株がパラカゼイに分類されました。

一方、モローによってラクトバチルス アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)が発見され、腸内細菌の中にはアシドフィルス菌と思われる乳酸菌が多く生息しているとされましたが、この中にはビフィズス菌やカゼイ菌も多数含まれていたことが後に明らかになりました。これらが区別できるようになったのは、1950年代以降のことで、腸内乳酸菌の中には多種類のラクチカゼイバチルス属の細菌が生息しています。

中でもパラカゼイ菌は市販の発酵乳製品の製造にも多く使われており、整腸作用や免疫調節作用などの多様な有益な作用を有することが明らかにされている一方で、その作用メカニズムの解析も進んでおり、世界を代表するプロバイオティクスとして知られる菌株もあります。

枯草菌(hay bacillus (Bacillus subtilis))

最初にVibrio subtilisとして知られたこの細菌は、1835年にChristian Gottfried Ehrenbergによって発見され、1872年にFerdinand Cohnによって改名されました。
枯草菌(B. subtilis)は、グラム陽性の好気性細菌で棒状の形をしており、土壌、反芻動物や人間の消化管に生息しています。

プロバイオティクス製剤として、腸管障害の治療や予防によく使われるほか、抗生物質の生産、防カビ剤、代替医療にも使用されています。
枯草菌は、炭疽菌と同じ仲間で、ストレスを受けると胞子になって休眠状態に入り、極端な環境条件に耐えられるようになります。
枯草菌は、NASAの人工衛星に6年間搭載され、宇宙空間で最も長く生存した記録を持っています。

枯草菌は一般的に非病原性と考えられていますが、枯草菌の胞子は調理中の熱にも耐えられ、質の悪いベーカリー製品などを原因とする食中毒に関与しており、おすすめできません。枯草菌による食中毒は発症が早く、急性の嘔吐を伴い、一般的には下痢が続きます。

ラクトバチルス・スポロゲネス(Bacillus Coagulans)

ラクトバチルス・スポロゲネスは、乳酸菌の一種です。
1915年にBacillus Coagulansとして分離・記載された熱や胃酸に強いプロバイオティクスです。免疫力の向上、下痢や便秘の治療に用いられます。コアギュランスをはじめとする胞子形成菌は、胞子と呼ばれる生殖構造を形成します。胞子の形で胃に到達し、胃の促進作用と酸性PHにさらされることで種がコーティングされ、水を吸収して膨らみ、十二指腸に到着した種子は、急速に発芽して増殖します。

腸管内で発芽する能力は、数あるプロバイオティクスの中でも際立った存在となっています。なぜなら、生存率が85%(初期物質の85%がそのまま腸管に到達することを意味する)と、プロバイオティクスの中でも1位であり、腸内で代謝活性化する能力があるためです。

小腸に到達するとすぐに、体内でグリコーゲンの合成に代謝されやすい形態である左巻きのL(+)乳酸(Ong 2016)を生成します。
コロニー形成は一過性で、その種子は中止後7日程度でゆっくりと便から排泄されます(Majeed, 1998)。
Lactobacillus Sporogenes(Bacillus Coagulans)は、消化器系を通過する際に、「腸内フローラのすべてをサポートするために、腸内環境の変化に貢献する」(Jurinka 2012)とされています。

例えば、人間の消化器系の最良の動物モデルである豚において、種子プロバイオティクスは抗生物質と同様に効果的に「悪玉」細菌を減少させることが示されています(Adami 1999)。重要なのは、これが「善玉菌」のいずれにも悪影響を与えることなく行われるということで、慢性的に抗生物質を投与している場合には理想的なものとなっています(Zhenya 2015)。

ラクトバチルス・スポロゲネス(バチルス・コアギュランス)は、病原性微生物の増殖を防ぎ、乳酸をたっぷり生成してpHを下げます。その結果、
– 腸内でのアンモニア生成を抑える
– 腸内からのアンモニアの吸収を抑制する
– 腸内での血液中のアンモニアの排出を促進する。

さらに、in vitroおよびin vivoで観察された局所的および全身的な炎症への直接的な影響は、Lactobacillus Sporogenes(Bacillus Coagulans)が胃腸障害(局所的な炎症)や関節炎などの代謝・炎症性の問題に対して繰り返し観察されているポジティブな効果を説明しています。

さらに、in vitroで[β]-ガラクトシダーゼ活性を持ち、乳酸脱水素酵素活性も持つ可能性があるため、乳糖の消化を促進し、乳糖に耐性のない人の吸収を促進します(Jurinka 2012)。

また、宿主の胆汁酸塩の代謝に直接影響を与える胆汁ヒドロラーゼを介して脂質代謝を修正する効果があるため、コレステロールプロファイルを改善します。コレステロール低下作用は、腸内のコレステロールをブロックし、コレステロール産生に関与する酵素HMG-CoA還元酵素を阻害することにより、コレステロールの細胞構造を同化・統合することができるために起こります(Mohan 1990)。

健康でバランスのとれた腸内フローラを促進することは、体にとってあらゆる利点をもたらしますが、特に抗生物質治療の後や高齢者では、「善玉」菌の有病率が時間とともに減少しているため、推奨されます(2015年のNyan gale)。

しかし、その利点から、B. Coagulans(Lactobacillus Sporogenes)は、予防的に作用するだけでなく、「dysbiosis」(=病原性微生物が過剰に増殖すること)を治癒することもできます。

この強力なプロバイオティクスは、過敏性腸症候群の予防に役立つことが研究で明らかになっています。
過敏性腸症候群(IBS)の予防に役立つ。
クローン病の発症を予防する。
抗生物質による下痢を防ぐ(Dutta 2011)。
扁平上皮、膨満感、ガスを防ぐ(Kalman 2009)。
高脂血症を改善する。
免疫調整作用では、変形性関節症や関節リウマチなどの自己免疫疾患の予防や治療に効果がある。
インフルエンザなどのウイルスの攻撃に体が対処するのを助ける。(Baron 2009)。
筋損傷マーカーを減少させ、回復力を高め、運動による筋損傷後の運動能力を維持する能力があるため、運動能力を高めることができる(Jäger 2015)。
女性の健康については、局所的に投与することで、非特異的膣炎に悩む女性の代替手段となることが示されている(Shirodkar 1980)。

ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)

胞子の片側にユニークなカヌー型の薄板状の体を作ることを特徴とする細菌で、水、土壌、昆虫などに自然に生息しています。その殺生能力は、Coleoptera、Lepidoptera、Dipteraなどの様々な目の昆虫や、線虫、軟体動物に対して報告されているます。無脊椎動物に対する病原性に加えて、B. laterosporusの異なる菌株は、植物病原性細菌や真菌に対する活性を含む幅広い抗菌活性を示しており、観察された病原性や作用機序には、タンパク質や抗生物質など、さまざまな分子が関連しています。植物病原体に対する生物学的防除剤として考えられる以前に、B. laterosporusの特定の菌株の抗真菌性および抗菌性は、治療効果のある抗生物質の生産と関連して医学的に関心を持たれています。また、この細菌の生分解性を利用して、汚染された場所のバイオレメディエーションに利用することにも関心が高まっています( s )。

殺虫力や抗菌、抗真菌活性などさまざまな用途が期待される強力な菌株ですが、ヒトがサプリメントなどで経口摂取するものとしては一般的ではなく、おすすめできません。

プロバイオティクスを摂取するタイミング

プロバイオティクス製品を摂取するタイミングは、メーカーによって、食前、食中、食後、空腹時などさまざまなタイミングが推奨されていますが、それぞれを比較検討した研究では、脂肪を含む食事と一緒に、または食事の直前に摂取するのがもっとも細菌の生存率が高いという結果が報告されています( s )。

もともと発酵食品などの食事から摂取するものだと考えると当然のことですが、サプリメントなどのプロバイオティクス製品を摂取する場合も、食事と一緒に、または食事の直前の摂取をおすすめします。

プロバイオティクスの選び方

ご紹介したような働きを参考に、それぞれの菌株が含まれるものを選んでみてください。腸内細菌叢は一人一人それぞれ固有のものであるため、合う合わないがあります。1種類よりはあまり多すぎない程度に複数の菌株を含むものがおすすめです。

いろいろな製品を比べてみると、1億から1,000億個まで、さまざまな生培養物(コロニー形成単位(CFU)として記載されていることが多い)の含有量のものが売られています。

プロバイオティクスの具体的な投与量についての規定はありませんが、研究によると、健康効果を得るためには1億から10億のプロバイオティクス微生物が腸内まで到達するのが望ましいとされています( s )。多ければ多いほど良いというものではなく、人それぞれの適量があり、生きたまま必要量が腸内に到達することが重要です。プロバイオティクスの細胞は保存期間中に死滅する可能性があるため、ラベルに少なくとも10億個の生培養物が保証されており、製造元などが分かる信頼できる製品を購入するようにしましょう( s )。

始めて飲む時には、含有量の少ないものからスタートしてからだの様子や反応を見てください。いきなり1000億など含有量の多いものを飲むと、ガスが発生しやすくなったり、下痢や腹痛を起こしたり、菌の死骸で便が詰まりやすくなる場合もあります。

ちなみに、ほとんどの乳酸菌、ビフィズス菌、腸球菌は私たちの腸管からきているためもともと胃酸に強く、非腸溶性コーティングよりも腸溶性コーティングの方が高い生存率を示すことなどから、コーティングについてはそれほど重視されなくても良いと思われます( s )。

また、冷蔵保存が必要なプロバイオティクスカプセルは加熱乾燥されており、凍結乾燥ではないため室温では安定せず、携帯性にやや欠けると思われます。使用状況に応じて選びましょう( s )。

 

プレバイオティクス

プレバイオティクスとは、難消化性で発酵可能なオリゴ糖のことで、腸内細菌叢の組成や活動を変化させ、宿主の健康を促進することを目的としています。食物繊維や難消化性オリゴ糖は、腸内細菌の主な増殖基質であり、これらの発酵により大腸内容物が酸性化され、短鎖脂肪酸が生成されます。これらの脂肪酸は、様々な組織で燃料として使用されるほか、細胞プロセスの調節にも関与していると考えられます。つまり、プレバイオティクスは、私たち人間には消化されないまま小腸を通過し、主に有益な腸内細菌の餌となって繁殖を促します。このプロセスは、消化管の微生物の生態に影響を与え、腸の代謝と機能に影響を与えます。効率的なプレバイオティクスは強い腸内細菌を活性化させてより有益な腸内細菌叢に進化させる力があります。

プレバイオティクスは、ビフィズス菌や乳酸菌などの内因性微生物群の成長を特に促進し、人間の健康に有益であると考えられていますが、果物や野菜が豊富な健康的な食事を心がけていれば、改めてプレバイオティクスを補充する必要はないと考えられます( s )。

プレバイオティクス繊維は以下のようなものに多く含まれます。

マメ科植物、豆、エンドウ豆、オーツ麦、バナナ、ベリー類、エルサレム・アーティチョーク(通常のアーティチョークとは異なります)、アスパラガス、タンポポ菜、ニンニク、ネギ、玉ネギ

 

しかし、急性感染症や抗生剤摂取などによって腸内細菌叢が大きく乱れ、有益な腸内細菌が死滅した結果、悪玉菌が優勢になった場合などには、プレバイオティクス製品を摂取することで、素早く腸内細菌叢を整えて強化することが可能となります( s )。

多くの研究では、特定のプレバイオティクス効果のある食品を摂ることで、特にビフィズス菌の濃度が増加し、腫瘍やガンの発生率の低下が報告されているほか、エネルギーのホメオスタシス、満腹感の調節、体重増加に対して有益な効果を持つことが支持されています。これらの研究は、肥満の動物や患者のデータと合わせて、腸内細菌叢の構成(特にビフィズス菌の数)が、シンドロームX、特に肥満と2型糖尿病に関連する代謝プロセスの調節に寄与しているという仮説を裏付けています( s )。

プレバイオティクスとは、『胃腸内細菌叢の組成および/または活性の両方において特定の変化を可能にし、宿主の幸福と健康に恩恵を与える選択的に発酵させた成分』であり、プロバイオティクスとプレバイオティクスが相乗的に組み合わさったシンバイオティクス(チーズ、ケフィア、ザワークラウトなど)もあります。現在、プレバイオティクスの分類基準をすべて満たしているのは、ビフィズス菌由来の難消化性オリゴ糖(特にイヌリン、その加水分解物であるオリゴフルクトース、および(トランス)ガラクトオリゴ糖)のみです。

これらは、腸内細菌叢に良い影響を与えることが確立されている食物繊維であり、プレバイオティクスの他の健康効果(下痢や便秘の予防、腸内細菌叢の代謝調節、癌予防、脂質代謝への好影響、ミネラル吸着の促進、免疫調節作用)は、腸内細菌叢によって間接的に媒介されるため、その内容や状態に左右されます( s )。

イヌリン

植物は自然にイヌリンを生成し、エネルギー源として利用しています。食物繊維が豊富で低カロリーであり、さまざまな健康への効果が明らかになっています。イヌリンに含まれる食物繊維は水溶性で、胃の中で溶けてゼラチン状になり、消化を促進します。便のカサを増し、排便の回数を増やします。便の回数が増えても消化を遅らせる効果から血糖値の急激な上昇を防ぎ、食べたものからの栄養素の吸収が良くなります。

イヌリンをサプリメントで摂取する場合には、カプセルタイプと粉末タイプがあり、1日あたりの摂取量は3.1gとされています。イヌリンは、以下のような食品に含まれています。

チコリの根、アーティチョーク、リュウゼツラン、アスパラガス、バナナ、にんにく、ネギ、小麦、タマネギ、ワイルドヤム

イヌリンはクリーミーなので、マーガリンやサラダドレッシングの脂肪分の代わりになります。また、小麦粉の代わりにお菓子作りに使われることもあります。

イヌリンを摂取し始めると、人によって過剰な鼓腸や緩い便などの消化器系の不快感を感じることがありますが、どのようなイヌリンであっても、アレルギーを起こす可能性は極めて低く、人間が摂取しても安全であると考えられています。十分な水を飲み、低用量から始めて様子を見ながら取り入れてみてください。

フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖(FOS)は、短い果糖の鎖で構成されており、オリゴ糖と呼ばれる糖質の一種です。FOSはイヌリン由来であるため、イヌリン同様、以下のような多くの植物に自然に存在します。

ブルーアガベ、ヤーコン根、ニンニク、タマネギ、ネギ、チコリの根、エルサレム・アーティチョーク、アスパラガス、バナナ

 

フラクトオリゴ糖は、ほのかな甘みがあり、低カロリーで水溶性食物繊維の良い摂取源でもあります。難消化性なので、血糖値に影響を与えることはありません。そのため、FOSは主に低カロリーの代替甘味料として使用されます。血液中のグルコースレベルを上昇させ、体重増加の原因となる砂糖を含む製品の代わりに、FOSで作られた製品を食べたり飲んだりすることができ、体重増加や糖尿病の原因になると言われている人工甘味料よりも優れていると言われており、その他、コレステロール値や体重の低下、便秘解消など様々な健康効果が期待されています。

ブルーアガベは、水で薄めて飲めるネクターとして販売されています。また、ブルーアガベをそのままシロップとして使うこともできますが、詳しくは炭水化物の糖分のところでお伝えしますが、その製造過程によってさまざまな効能は損なわれています。

チコリの根は、ノンカフェインのコーヒー代替飲料としてよく使われます。

FOSは粉末状のサプリメントとしても販売されています。また、錠剤やカプセル状のプレバイオティクス・サプリメントにも含まれています。

FOSは通常、食品のラベルに食物繊維の一部として、総炭水化物数の下に記載されており、一部のブランドのヨーグルト、栄養バー、ダイエットソーダ、ドッグフードやキャットフードなどに含まれています。

FOSを使用したり、使いすぎたりすると、人によっては腹部の痛みや下痢、ガス、膨満感、胃けいれんを引き起こす場合がありますが、FOSはガンとの関連性はなく、人や動物に対して毒性はありません( s )。ただし、あらゆる形態の果糖に対する耐性が限られている人においては、腹部膨満感や痙攣、下痢、緩い便、IBSやSIBOを悪化させる可能性があります( s )。

Digestive and Liver Disease誌で報告されているように、FOSは食中毒の原因となる有害な細菌であるクロストリジウム・パーフリンゲンを抑制する働きがあります。また、Journal of Nutrition誌に掲載されたある動物実験では、FOSがサルモネラ菌に対する保護効果もあると報告されています。

プレバイオティクス・オリゴ糖に関する研究のほとんどは、イヌリンとそのフラクトオリゴ糖(FOS)誘導体、および様々な形態のガラクトオリゴ糖(GOS)を用いて行われています。多くの腸内細菌がこれらの糖質で増殖することができます。これらのプレバイオティクスは、安全性、安定性、官能特性、上腸での消化性と大腸での発酵性、さらに腸内の善玉菌の増殖を促進することから、欧米の食生活に取り入れられる機会が増えています。イヌリン由来のオリゴ糖やGOSは、軽度の下剤作用があるが、大量に摂取すると鼓腸や浸透圧性の下痢を起こすことがありますが、大腸への影響は比較的軽微です。プレバイオティクスの健康上の意義に関する文献は、プロバイオティクスに関するものほど豊富ではありませんが、GOSおよびFOSの摂取が、特に、推定上の抗がん作用、ミネラル吸収への影響、脂質代謝、アトピー性疾患などの抗炎症作用やその他の免疫作用に関連して、健康上の大きなメリットをもたらすことを示す証拠が数多く蓄積されており、多くの場合、プレバイオティクスはシンバイオティクスと組み合わせて使用するとより効果的であるようです( s )。

 

2021.11.4

7時半起床 クロレラ12粒、酵素サプリ1粒、水コップ2杯

7時50分 首、肩、DNAストレッチ、その後PCにて記事執筆・まとめ

8時40分 シラントロ4滴カプセル、水コップ1杯、スクワット20×3回、コーヒー、チアオーツプリン+バナナ1本+ココチョコ2粒

10時  エネマ1リットル40度湯+リンゴ酢大さじ2杯

13時  ニンジン1.5本+リンゴ1個+レモン1/2個分果汁ジュース、ライ麦10%パン+ニンニクオリーブ油、ゆで卵1個

16時  ケーキドーナツ1個+コーヒー

19時40分 ご飯1/2膳、麻婆豆腐、キクラゲ卵炒め、ブロッコリー、緑茶キノコ

 

 

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