ファスティングも下剤も浣腸も無力です。

ある一定の年齢を過ぎるとともに下腹部にはぶ厚い脂肪を蓄え、ちょっとやそっとではその脂肪を落とすことができなくなります。でも適度な運動やダイエットを繰り返しては痩せないお腹まわりを歳だから仕方ないと諦める前に、別の角度からもこの問題を検証してみた方が良いかもしれません。それはもしかすると思いもかけない病気の入り口に立っているかもしれないからです。

 

腸と聞くと何を思い浮かべますか?腸が私たちのからだの大切な器官であることが少しずつ認識されてきましたが、私たちの消化器官ではどんな問題が起こっているのか?腸の問題が私たちの日々の生活、健康面、仕事面、人間関係、恋愛面、生殖活動にどのような影響を与えているのか、腸の洗浄をすることでどんな変化が起こるのかを具体的に見ていきたいと思います。

消化器官とは?

消化器官というのは、どこからどこまでのことをいうのか知っていますか?

口から肛門までを消化器官といいます。消化器官は、

・食べものをからだに吸収しやすいように分解して消化し、栄養を吸収して余った老廃物をからだの外に押し出す

・新陳代謝によってからだの中に生まれた老廃物やカスを排出する

・空気や食べもの、飲み物、肌から取り込まれた毒素をからだの外に出す

というたくさんの働きをしています。

 

腸が汚れる=死

腸が汚い状態で運動しても意味がありません。サプリを飲んでも、ダイエットをしても、食事にこだわっても、仕事のこと、恋愛のこと、若返りたい、肌をキレイにしたい、不眠症を治したい、髪の毛をフサフサにしたい、他にも肉体的などんな悩みを解消したいと思っていたとしても、腸が汚れたままでは何をしても無意味なんです。

私たちのからだのすべてのメカニズムは、腸がキレイに解毒されて、宿便がなくて、良い腸内細菌がたくさんいる完璧な状態でなければ、最高のパフォーマンスを発揮することができません。

腸が汚い状態で運動しても筋肉はつかないし、腸が汚い状態でサプリを飲んでも吸収されないし、コエンザイムやオメガ3オイルを飲んでもまったく効果がないんです。

 

腸の洗浄とは?

腸の洗浄と聞くと何を思い浮かべますか?エネマや浣腸で洗浄して宿便を洗い出すことだと思いますか?

腸が汚れている状態というのは、水を撒くホースを思い浮かべるとわかりやすいかと思いますが、ホースの中にカビや汚れがびっちりこびりついているようなもの。それらの汚れが腸壁にこびりついている宿便です。しっかりこびりついているので、ただ水を流しただけではそれらの汚れをはがしてからだの外に押し出すことはできません。

体感的には、

□関節痛や腰痛が頻繁に起こる

□慢性的な筋肉痛

□口臭、体臭、足の臭いがキツイ

□お腹にガスが溜まりやすい

□おなかの膨満感

□頻繁な頭痛や腹痛、痙攣

□記憶力や集中力がなく、精神不安定や「脳の霧」が感じられる

□気分のむら、短気、神経過敏、記憶の抜け

□倦怠感や気力不足、低エネルギー

などの症状が感じられる場合には、仮にほぼ毎日排便があったとしても、おそらく腸が毎日キレイに空っぽになっておらず、腸壁に少しずつ汚れが蓄積し、汚れの層が溜まっているはずです。汚れは腐って異臭を放ち、水分が抜けて固くこびりついて簡単には剥がれにくくなります。

私たちが食べたものは口から食道、胃を経て、少しずつ分解されながら腸に送られ、腸粘膜から栄養を吸収して血液によって全身に運ばれますが、腸壁に汚れが溜まっていると、その汚れを好むバクテリアが増殖し、腐った臭いやガスを大量に生成し、肌の色の悪さ、できものなどの問題を引き起こします。

さらに、固くこびりついた汚れは、食べものなどの栄養素の吸収を妨げ、重要なビタミン、ミネラルなど大切な栄養素が吸収されないまま通過して排出されてしまうため、慢性疲労やエネルギー不足を体感することになります。その結果、高品質の有機食品を食べて十分な栄養をとっているつもりでも、細胞や臓器は栄養失調になっています。

それ以上に最悪なのは、腸壁に溜まった汚れや悪玉菌とその死骸などの有毒物質も一緒に吸収されて全身に巡っていくために、それらが血液中に危険なレベルで蓄積すると中毒症を引き起こすことです。私たちのからだに備わっている高性能な免疫システムは腸内で繁殖するそれらの有害なバクテリアや有害物質に反応して大量の白血球を消費してしまうため、免疫力が下がって風邪や流行りの感染症にかかりやすくなり、治りにくくなります。

からだのメカニズムは四六時中フルで働いている状態になるため、疲れが取れず、ぐっすり熟睡することもできず、あらゆる慢性的な痛みを感じ続け、消化吸収が不十分なためにさらに汚れは蓄積して体重が増加し、パフォーマンスが低く気力のない生活では生きる喜びも感じられず、落ち込んで絶望を感じるようになります。

そのままの状態を続けていると、からだは蓄積した老廃物から中毒になり(自己中毒と呼ばれます)、さらに深刻な病気にかかって死に至ることになります。

 

12kgあった宿便

こちらの外科医は、有毒物質によって腫れた結腸の一部を患者から取り除く手術によって若い男性の命を救いました。この男性は何年もの間毎日下剤を服用していましたが、あまり効き目が感じられず次第に腸は無反応になっていました。手術前のからだは妊娠9ヶ月に見えたそうです。切除した結腸は12kg以上ありました。

これは決して大げさな話ではなく、『結腸症候群』と呼ばれ、最近では頻繁に見られる症状となっていますs1

さまざまな原因で死亡した人々に対して行ったランダムな剖検(病理解剖)では、死体の結腸の90%が腸の層ごとに硬化して腐敗した糞便の堆積物を保持していました。

それらの多くは通常の結腸の2倍に伸びており、ある剖検では、通常直径5〜8センチの結腸が22センチ以上に腫れ上がり、堆積した糞便によって鉛筆ほどの隙間しかない状態でした。

また別のケースでは、18kg以上の有毒な糞便が停滞した結腸が発見されています。

研究によると、成人ではこれらの宿便を平均2〜10キロ保持しており、そのために不快感を感じ、太りすぎて魅力が低下し、健康や幸せを感じられずにいます。この汚れの蓄積は、ガス、膨満、倦怠感、腹痛、便秘、さらには非常に多くの消化器系の問題の根本的な原因となっています。

このような状態で便通が良くなったとしても蓄積物の間の細い隙間を通った細い便が出てくるだけで、何年もの間蓄積した宿便は、下剤や浣腸などで腸壁から引き剥がして排泄することは不可能です。 

では、このような固く頑固にこびりついた蓄積物はどうしたら取り除くことができるのでしょうか?

 

それは下剤の仕事ではない!

下剤は、腸壁を刺激して腸の筋肉の収縮(ぜん動運動)を促し、いわば無理やり腸内に溜まっている糞便を押し出させるための化合物です。

ぜん動運動を起こしたところで、腸壁に汚れが蓄積しているような腸では糞便がスムーズに押し出されず、結腸の途中で留まって詰まらせてしまいます。そのまま水分をどんどん吸い取られて固くなると自然な排便はさらに難しくなります。これが便秘ですね。温かく湿った腸の中で、詰まった糞便は腐敗しはじめてそれを好む悪玉菌の温床となり、ひどい臭いのガスや毒素を発生させます。

トイレがつまった経験は誰でもあると思いますが、トイレがつまると水が流れなくなって、どんどん上に溢れてきますよね。

糞便が溢れかえった腸内は腫れ上がり、その内圧によってさらに袋状のポケットをつくり出します。これを憩室といいますが、ここにも糞便が溜まります。憩室の汚れは腸以上に汚れを取り除きにくいため、憩室にたまった糞便は腐敗して悪玉菌の住処となり、有毒物質を生成し続けることになります。1952年には45歳以上の人で憩室を持っている人はわずか10%ぐらいだったのが、今ではほとんどの人の結腸に憩室があるといわれています。

 

 

栄養と一緒に吸収されている毒素

糞便や汚れが蓄積していると、腸壁は十分な栄養を吸収できないだけでなく、腸壁にへばりついている宿便に含まれる毒素も一緒にからだの中に吸収してしまいます。からだのさまざまな働きによって次から次に汚れが腸内に送り込まれても、腸や腸につながっているそれぞれの管がキレイな状態でなければ、うまく排泄されないまま、つまったトイレのように汚れが溢れて再吸収され、全身に逆流してしまう訳です。

現在のガンによる死亡の第2位が大腸ガンとなっています。その他、脱腸、ポリープ、下痢、大腸炎、クローン病(口から肛門までの消化器官全域に、非連続性の炎症や潰瘍を起こす原因不明の疾患)、糖尿病、胆石、尿路結石、痛風(高尿酸血症を原因とした関節炎)、高血圧、下肢静脈瘤(静脈が拡張し血液が溜まることで起きる疾患)、リウマチ性関節炎(自己免疫がおもに手足の関節を冒し、関節炎や関節の変形が生じる炎症性自己免疫疾患)、乾癬(免疫の異常によって皮膚が炎症を起こす疾患。正常な皮膚の細胞周期が457時間なのに対し、乾癬の場合37.5時間になる)、肥満などたくさんの問題が私たちのからだで起こっています。腸に蓄積した汚れがこのようにほとんどの病気の根源となっています。

腸とは別の場所に起きている疾患も多く、一見腸の汚れとはまったく関係がないと思うかもしれませんが、関節が痛いから湿布を貼ったり、にきびや肌荒れにクリームを塗ったり、それぞれの疾患の症状を抑える薬を飲んでも治らないどころか、蓄積された汚れとともに分解吸収されて新たな毒素を発生させ、また別の病気を引き起こすことになってしまいます。

私たちがからだのさまざまな不調を治して、真の健康なからだ、理想的なスタイルを手に入れるためには、何よりもまず腸壁に蓄積して固くこびりついた汚れをなんとかして引っ剥がしたり擦り落としたりしながら押し出すというアプローチをしなければなりませんが、下剤やファスティングなどにはそのような働きはありません。 

]]>

コメント

タイトルとURLをコピーしました