次世代ファスティングは、近所のスーパーで手に入るものや身近なものを使い、ちょっとした習慣を変えて1〜2ヶ月に1ステップずつすすめることで、無理なく長期的に、健康的で理想のスタイルを手に入れることができます。自分史上最高減量ではなく最強プロポーションを目指し、維持していくプログラムです。
次世代ファスティングは単なるダイエット法などではありません。私たちが、いつのまにか忘れ去ってしまった、『個』の本能を取り戻して、誰かと比べたり見えない不安に怯えることなく、ただ、ひとりひとりが自分を愉しみながら、いつまでも元気で若々しく、毎日を生き生きとと暮らすための唯一の方法です。
現代社会を生きる私たちがデトックスすべきなのは、もはやからだだけではありません。あらゆるもので感情も精神も蝕まれてしまっっているのです。
体重が減るとか、からだに溜まった毒素や脂肪、重金属などの不要なものを排出して、からだも心もスッキリと軽くなり、余分なためらいなく脳が働いて思考がクリアになるとか、誰かに決められた価値観から開放されて曇りのない自分の目や耳だけで物事を判断できるようになるというのは、ほんのおまけのようなもの。というか、そのように肉体・感情・精神が一致した状態になって初めて、私たちは自分本来のパフォーマンスを発揮して生き生きと輝き、いつまでも元気で若々しく、自分を愉しみながら生きられるようになるのです。
得体のしれない漠然とした不安はいつまでもつきまとい続ける。正体の分からない相手と闘うことはできないから、日々自分を摩耗し、疲弊し続ける。そんな不安から開放されて、エネルギーに満ちた心身で心から笑い、幸せと未来への希望を感じる生活を手に入れませんか?
では、具体的に、何をどうすれば良いのでしょうか?
次世代ファスティングは、以下の5ステップのそれぞれ理論編と実践編で構成されています。
ステップ1:腸をキレイにする ステップ2:肝臓・腎臓・胆のうデトックス ステップ3:本物の栄養<消化と吸収> ステップ4:日常健康法<呼吸・睡眠> ステップ5:運動習慣術
一時的なプログラムではなく、日々の生活に無理なく少しずつ取り入れながら日常に落とし込んでいく、生涯プログラムとなっています。短期的に結果を出してリバウンドを繰り返すものではなく、からだ全体(肉体・感情・精神すべて)をクレンジングして本来のじぶんに生まれ変わるプログラムです。
先にバーっと全体像を見てからでも、1ステップずつ丁寧に取り組みながら進んでいくのでも最終的なゴールは同じですが、まず重要なのは、とにかく腸をキレイにすることです。腸をキレイにしなければその後のステップはすべて意味がないどころか、かえって恐ろしい悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、オリエンテーションでは、その理論とアプローチをお話しますが、これらはからだをクレンジングするための一つの方法論や情報であり、次世代ファスティングプログラムのメインではありません。次世代ファスティングの大前提の知識として捉えてください。
必ずステップ1の重要性を理解した上で、ステップ2に進んでください。ステップ3〜5については、ステップ1と同時に取り組んでいくことも可能ですが、ほんの少しのこととはいえ日々の習慣を変えることなので、人によっては大きなストレスになってしまうかもしれません。
繰り返しますが、次世代ファスティングは生涯プログラムです。どうか焦らず、長い目で見てじっくりと少しずつ、無理なく取り組んでみてください。プログラムを読み進めていくことで意識が変わります。意識が変わると思考が変わります。思考が変わると行動が変わります。
肉体・感情・精神が一致していないと、どこかに摩擦が生じてうまくいきません。ステップを繰り返しながら、自分のからだの声に耳を傾け、変化を実感しながら心身に落とし込んでいってください。
体内汚染の危険性
からだの老化が進むにつれ、化学物質による身体組織の汚染の危険がますます大きくなります。有害物質が体内に蓄積されると、健康を損なうことによる倦怠感や変性疾患に悩まされやすくなります。
そのため、からだの浄化が重要となります。重金属や未消化の食べものなどあらゆる体内汚染物質が体内から一掃されると、各器官や細胞組織にかかっていた大きなストレスが取り除かれ、免疫機能向上、肝臓への負担が特に軽減されます。
肉や乳製品などの動物性食品を摂取した場合、浄化は特に重要になります。こういった食品には健康を損なう恐れのある天然の微生物が大量に存在します。ロバート・O・ヤング博士※1によれば、肉類には平均して1グラムあたり30万から300万の微生物が含まれており、一人前にするとおよそ3億3600万個になります。チーズには1グラムあたり30万から100万、牛乳には2万の微生物が存在するといわれています。これらの動物性食品は、体内汚染の大きな原因となります。一方で清潔な植物性食品には1グラムあたりわずか10の微生物しか含まれていません。
人間は、基本的に菜食のからだを持っており、肉食向きではありません(肉をまったく食べてはいけないということではありません)。長い消化管は多くの菜食動物に似ており、繊維質に富む消化しにくい植物中心の食生活に適するように自然から授けられています。消化管が長いおかげで酵素がはたらき、食物から栄養素を取り出すことができます。これは、肉食動物の短い消化管とは非常に対照的です。短い消化管は、肉が腐敗して菌類が繁殖し病気の原因となる前に、素早く消化・吸収して排出するようにできています。
肉類や乳製品が人体に取り込まれるとどうなるのでしょうか。繊維質のない肉は、人体の長い消化管を非常にゆっくりと通過し、消化管の多くの屈曲部の壁に簡単にひっかかってしまいます。有毒物質の時限爆弾のように、未消化の食物は腐敗し始め、含まれていた重金属や化学物質、ホルモン、有害物質などが、少しずつ血液と組織中に直接放出されます。さらに悪いことに、これら未消化の残骸は人体に自然に存在する酵母や菌類によって発酵し、マイコトキシン※2と呼ばれる有毒な副産物で人体を汚染します。このマイコトキシンは、多くの病気に関係があります。
からだの浄化が必要な人は?
現代社会では、誰もがからだの浄化を必要としています。私たちは程度の差はあれ、徐々に蓄積していく有害物質や化学物質、細菌、寄生虫などによるストレスに例外なくさらされています。高名な研究者ケネス・ボック博士は、『人間とは歩く有害物質の廃棄場だ』と述べています。なぜなら、工業廃棄物、除草剤、農薬、添加物、重金属などが、食物や化粧品、空気や水、さらに歯の水銀を含むアマルガムなどから無意識のうちにからだに取り込まれているからです。加えて、人類は食物連鎖の終端にいます。つまり、私たちは消費する肉類や乳製品だけでなく、身の回りのあらゆるものから潜在的に危険な化学物質をどんどん蓄積していく立場にあるのです。
1990年に米国環境保護局によって行われた大規模な調査によれば、試験対象となったすべての人の組織や脂肪に、なんらかの石油化学物質による汚染がみられました。見つかった化学物質の中には、スチレン(プラスティックに用いられる)、キシレン(ペンキの溶剤やガソリンに含まれる)、ベンゼン(ガソリン中にみられる化学物質)、トルエン(発ガン性のある溶媒)などがあります。
浄化によって、からだは病気に対する抵抗力を身につけ、長年蓄積してきた有害物質や粘液、寄生虫のもたらす過剰な負担から逃れることができます。
理想的な浄化法
理想的な浄化プログラムは、多量の水の摂取と強力なハーブ、消化酵素、セラピー等級のエッセンシャルオイルを組み合わせて行います。エッセンシャルオイルは特殊な脂質溶解性をもっているため、驚くほどよく細胞組織に浸透し、未消化の食物を分解し、有害物質に対抗します。また、エッセンシャルオイルは酸素を運びますが、微生物に対する酸素の抑制力は他に類を見ないほど強力です。事実、多くのエッセンシャルオイルは細菌や菌類、寄生虫を抑えるユニークな特徴が研究対象になっています。ローズマリーのようなオイルは、数多くの科学雑誌に掲載された研究論文によって高感染症をもつことが明らかになっています。
浄化プログラムは、からだの異なった部分(大腸、小腸、胃、肝臓、膵臓など)を対象とし、種々のタイプの体内汚染、たとえば老廃物の蓄積、重金属、寄生虫、菌類や酵母などに対応する必要があります。
いつクレンジングするべきか
からだの浄化は、年に1〜2回行えば良いというものではなく、継続的に行う必要があります。
特に40歳を超えた人には重要です。加齢とともに胃酸や酵素の量が減少し、体内の老廃物が多量に蓄積するようになります。酵素が不足すると、未消化のタンパク質や発酵した老廃物を十分に分解することができず、消化器の働きが妨げられて、養分の吸収が阻害されます。
さまざまな浄化法
水断食
もっとも強力な浄化法は、水のみを摂取する水断食です。蒸留水もしくは浄水を1日中大量に飲みます。塩素などの含まれる水は避け、必ずキレイな水を飲みます。
水量の目安は、体重(キログラム)×1.1×28.35グラムです。
体重が60kgの場合は、60×1.1×28.35=1871.1グラム
つまり、最低でも1.8リットルの水を毎日飲みます。
レモンジュース断食
スタンリー・バロー※3のマスタークレンズ法では、レモンジュースにメープルシロップ、カイエンペッパーを混ぜたものを飲み、そこからカロリー、ビタミン、ミネラルを補給します。
マスタークレンズ法は、糖尿病の場合を除いてあらゆる人に理想的な方法で、最短で3〜7日のうちに安全な浄化ができます。理想的な浄化の期間は1〜3週間です。
【マスタークレンズ法のレシピ】 1.1/2個の新鮮なレモンを絞る(できれば有機栽培のもの)。 2.レモン汁を250mlのキレイな水に混ぜる。 3.グレードBのメープルシロップを小さじ1〜2杯加える。 4.カイエンペッパー(トウガラシパウダー)を小さじ1/10加える。 カイエンペパーは初めは1〜2つまみから始め、徐々に小さじ1/10まで増やしていきます。カイエンペパーをジュースに混ぜずにカプセルに入れて飲むと処方の効果が変わり、直接胃に入ったトウガラシは炎症や過剰な粘液分泌を起こすこともあります。副鼻腔炎や結腸粘液症、さらに炎症性腸疾患になる可能性さえあります。
グレードBのメープルシロップは、糖類の中でもっともバランスのとれたもので、プラスイオンとマイナスイオンをバランスよく含みます。グレードBのメープルシロップは、はちみつや砂糖のように急速に血液に取り込まれません。これは、糖類に過敏な人(糖類をとると落ち着きがなくなったり、不眠やのぼせに悩まされる人)や、糖尿病、あるいはその予備軍の人にとっても理想的です(糖尿病患者はメープルシロップの代わりに廃糖蜜を最大大さじ1/4まで用います)。
pHのところでも話していますが、レモンは体内では酸性ではありません。口の中でアルカリ性に変わるのです。レモンを水に入れた時に酸性のような反応が見られる場合がありますが、これは水のミネラルによるもので、蒸留水ではこのような反応は見られません。
カイエンペパーは血管を拡張し、体温を上げ、ビタミンAを供給します。血液型がO型の人は血の巡りが良くない傾向があります。そのため、O型の人は浄化中に体温が下がってしまうことがあります。トウガラシは温める作用と血液循環を整える働きで知られているハーブなので、内服したり局所的に用います(特に脚に用いるとよく効きますが、少量をおすすめします)。
また、カイエンペパーには産熱性もあり、ダイエットのプログラムではからだの脂肪を燃やす働きを増進させます。
より徹底した浄化には、少なくとも2週間続ける必要があります。適度な運動は浄化反応を助けます。
浄化や断食中は、前向きな姿勢でいることが大切です。慣れないうちは週に1日の断食(日曜日などの週末断食がおすすめです。)から始めて、無理のないように準備を整えます。浄化に取り組むか否かの最大の障害は、失敗や未経験のために何が起こるか分からないことへの恐れです。
24時間の断食をするのであれば、正午に始めて翌日の正午に終わるようにするか、夕食から翌日の夕食まで断食します。
断食中は必ずキレイな水を多めに飲んでください。
浄化の中期から後期にかけて、からだの化学組成が変わり、エネルギーのレベルが増加し始めます。
寄生虫の多くは栄養を摂取し毒素を吐き出すため、私たちのからだは栄養不足になり、病気にも感染しやすくなります。有害物質や寄生虫がからだから出ていくにしたがって、頭痛や胃の不調、吐き気、膨満感、イライラ、活力の低下などの不快感を覚えるかもしれません。これは好転反応と呼ばれるもので、浄化プロセスの一部であり、人によって程度の差があります。通常は12〜36時間以内に起こります。
さまざまな有害物質が体外に排出されるのを阻止しようと暴れまわっているのをイメージすると分かりやすいと思います。腸をスッキリさせるアプローチなどによって排出の働きを助けることで好転反応は軽くなります。
その他、飲む水の量を減らして代わりに、ニンジンジュース、ニンジンとセロリのミックスジュース、ニンジンとセロリ、ホウレンソウ、ブロッコリーのミックスジュースなど、野菜ジュースを飲みます。
また、少量のリンゴを加えたニンジンジュースや、ニンジンとリンゴ、レモンのミックスジュースは、浄化を続ける助けになります。レモン、リンゴ、ニンジンを1:2:12の割合でミックスしたジュースは、pHを整え、下痢を緩和し、浄化の反応を進めるのに役立ちます。
順番を守らないと毒素が逆流する
水断食やレモンジュース断食は、あらゆる断食法の中でもっともパワフルな方法になります。極端なカロリー制限などをともなうプログラムと同様、経験豊富な専門家に相談し、見守られながら行う必要があります。
浄化中の副作用で吐き気と膨満感がある場合には、2つの可能性が考えられます。1つ目は、毒素が非常に速いペースで排出され、肝臓に逆流している場合です。
2つ目は、けいれん性大腸、蠕動運動消失(蠕動(ぜんどう)は消化管の波のような運動で、老廃物を体外に排出する)、大腸のねじれや曲がり、くびれによる閉塞性脱腸などの原因が、単独であるいは複数組み合わさって、大腸がうまく排泄できない場合です。
腸の洗浄をせず宿便が溜まったまま浄化プログラムを行うと、腸壁にこびりついている糞便などのさまざまな有害物質が剥がれだし、腸が詰まってしまいます。その結果、肝臓に溜まっていた毒素を腸内に押し出すことができずに逆流してしまいます。
そのため、浄化プログラムの前はもちろん、日頃から腸をキレイにする習慣を身につける必要があります。次世代ファスティングでは、最重要パートとして第1話に腸をキレイにするためのさまざまなアプローチをしつこく詳しくお話しています。
浄化と感情
浄化によって、からだだけでなく心のデトックスを経験する場合もあります。感情をコントロールするのに役立つハーブは、心理的な開放を調整したり助けたりします。
セントジョーンズワート、カヴァ(使用には注意が必要)、ホップの抽出液などのハーブは、ストレスと否定的な感情を処理するのにすぐれています。バレリアン、ローマンカモミール、ジャーマンカモミール、ラベンダーなどのエッセンシャルオイルは特に効果的です。タンジェリン、ラベンダー、ローマンカモミール、ブルータンジーを合わせたエッセンシャルオイルのブレンドは、鎮静作用とリラックス効果があります。また、レモンオイルにも鎮静作用があります。柑橘系のオイルのほとんどはアルデヒド類を含み、落ち着きをもたらします。精神的な安定には、ビタミンB12と葉酸も重要です。
これらのハーブやオイルを口内浸出法(もっとも効率的に血液に取り込まれる場所である口の内部にスプレーすること)を使って摂取するのが理想的です。
人によっては強烈な食欲を抑える必要があるため、断食の2〜4日がもっとも困難になります。からだから寄生虫や有害物質が排除されるにつれて、突然エネルギーが沸き起こり、気持ちが良くなります。条虫、蟯虫、回虫などは4〜6日後から便の中に現れ、肉体的な空腹感が薄れてきます。浄化が進むと、五感だけでなく心まで鋭敏になり、記憶力が増進し、気持ちは晴れやかになります。
繰り返しますが、浄化中は大量のキレイな水を飲むことが重要なカギになります。水は有害物を排泄するために重要であるだけでなく、からだの細胞や組織の新陳代謝を正常に保つのに不可欠です。
完全な浄化
これまでほったらかしにしてきた体内汚染を、何かの修理や魔法のようにたった1回でキレイに浄化することは不可能です。完全な浄化のためには、それぞれのからだの器官を対象にした複数の解決方法を組み合わせる必要があります。肝臓を浄化するためのハーブやオイルやミネラルは、大腸を浄化するためのものとは違い、大腸を浄化するためのものは小腸を浄化するための処方とは異なります。
スモールステップで各器官の働きや理論と実践を徐々に身につけていくことで、これまで感じていなかったからだの声が聴こえるようになります。そのような状態になっていることを前提として、各ステップごとにパワフルなハーブの力を活用するオプションメニューをご紹介しています。
どうせやるならよりプッシュアップして取り組みたいというハードコアな方、2回目3回目にはレベルアップして取り組みたい、そのような場合にご活用ください。
ただし無理は禁物です。さまざまなアプローチの中から少しずつ試し、からだの反応を見極めながら自分に合うものを見つけ出し、肉体・感情・精神のバランスを整えて長期的に健康を維持する習慣を身につけていきます。
疑問点や質問点は各ステップの感想フォームまたはお問い合わせフォームからお気軽にお尋ねください。
※1 Robert O. Young,Ph.D., Shelley Redford Young(contributor) Sick and Tired?:Reclain Your Inner Terrain(病気と疲労ー内臓の再生),Woodland Publishing,2000.
※2 Stanley Burroughs, Healing for the age of Enlightenment(啓蒙期のヒーリング), Burroughs Books, 1976, pp. 12-37.
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