利権が生み出す食神話

利権をふりかけられた食べもの

私たちのからだが食べたものからできているのは事実ですが、すべての病気が誤った食生活の結果であり、食生活を変えればあらゆる病気が治ると豪語する人も信用してはいけません。食生活は私たちの健康を左右するものの1つではありますが唯一のものではありません。吸い込む空気の質、日頃の感情、まわりの騒音や社会環境、人間関係、それらが私たちが口に入れる食べものや飲み物(飲酒)に大きく影響していることは、あなたも日々経験していることと思います。

同様に、栄養学や栄養士の意見も安易に信用してはいけません。なぜなら栄養学は常に過去の科学だからです。それらの研究は、その時々の文化的な偏り(大金によってやり取りされた社会的な利権)や価値観によって大きく歪められているのに、当の研究者はその歪みにほとんど気づいていません。多くの『科学的根拠』には大きな利権が絡んでいることを、私たちは頭の片隅にとどめておかなければなりません。予防接種が良い例(義務から勧奨)ですが、私たちはこれまで数多くの義務や強制を強いられてきました。それらの中には、ある日突然掌返しされて一変したものも多くあります。私たちには見えないところで、日々大きな権力が動いているのです。

例えば、栄養学は私たちに『朝食・昼食・夕食という1日3食摂取』をすすめたり、食事バランスガイドを持ち出した給食やメディアからの情報によって、ひとりひとり違うはずの私たちに同じような食事を摂ることが常識であるようにすり込み続けてきました。しかし、私たちに1日3食は本当に必要か?でもお伝えしたように、これらの情報源は数々のさまざまな食べものを扱う食品産業などから発信されているものなのですから、製薬会社や医療業界と同じように利権が絡んでいることが分かります。

クリスマスやバレンタイン、ハロウィンなども、私たちに特別なイメージをもたせることによって、チキンや七面鳥、ケーキ、高価なプレゼント、ホテルの利用、高級なチョコレート、仮装用の衣装などなど、私たちにさまざまなものを売りつけるために西洋文化を利用したマーケティング手法です。

企業経営というビジネスにおいて、商品を売ることは当たり前なのはよく分かりますが、それでもやはり、私たちのからだを害するまでというのはやり過ぎです。

比較的安心(?)な添加物や農薬でもお伝えしたように、有機認証や有機JAS、オーガニックという言葉でさえも利権が絡んでいるため、知れば知るほど私たち消費者は何を信じて何を選んだら良いのか分からなくなってしまいます。無制限に農薬を使ったためにかえって強い害虫が発生したり、土壌が荒れて収穫量や作物の質が低下したことから、作物生産者も少しずつ自然な農法を追求するようになってきました。この流れは、抗生物質の乱用から薬が効かなくなり、さらに強力な耐性菌などの出現による医療への不信感から、社会の目が徐々にハーブやアロマなどの自然なものに向かっていることにとてもよく似ています。

 

では、何を食べるべきなのか

子どものアレルギーをきっかけに、多種多様な人の教えやさまざまな角度から『食』について学んできました。一時期は『無農薬、オーガニック、有機栽培のものしか口に入れてはいけない』、『化学調味料や添加物がたっぷりのコンビニ弁当は見るだけでも目から毒が入ってくる』ぐらいに思ってみたり、動物性タンパク質は毒だと思いこんで一切摂らず、玄米菜食にしてみたり、またある時期には炭水化物を敵とみなしてタンパク質ばかりを食べてみたり、長期間の断食、ヨーガの食養生法など、あらゆる食事法を学んでは実践してきました。

その結果たどり着いた答えは…『何を食べるべきか』この単純な問いには単純な答えはないという答え。

なんじゃそりゃ…という声が聞こえてきそうですが・・・『正しい食事はこれだ!』という人はたくさんいますが、それこそが不誠実な答えである理由について、これからお話していきます。

 

『唯一の正しい食事』はない

テレビや動画配信、書籍など、巷では日々さまざまな健康法があふれています。それぞれが私たちを強く説得しようとしていますが、よくよく聞いてみるとそれらは互いに矛盾しているので、聞けば聞くほど分からなくなってきます。獣肉、魚、鳥肉、ミルク、チーズ、バター、果物、野菜、植物油、小麦、卵、パン、イースト、砂糖、スパイス、ありとあらゆる食物に対して、それぞれに一見説得力のある見解が出されていて、食べてはいけない理由も添えられています。もしその見解がすべて正しいものなら、からだがほしがっていても頭が『食べてはならない理由』を見つけてしまい、私たちは食品の山に囲まれながら餓死しかねません

例えば、ヨーガの食物観では、すべての食物を上級(バランスという特質がある)から下級(不活性という特質がある)までの3つのカテゴリーに分類します。新鮮なヨーグルトや白米は最上級であり、玄米は最下級に属しますが、日本で生まれた食養生法であるマクロビオティックでは、玄米が最良の食物とされ、乳製品や白米はあまり口にするべきでないものとされています。

ある時期の私に正しい食事はあるかもしれませんが、同じものがあなたにも正しいかどうか、1年後の私に正しいかどうかは分かりません。人間はみんな物理的にも生化学的にも異なった存在であり、異なった食事を必要としていて、しかもそれは常に変化しています。いかなる食養生法にも、そのルールを完全に無視して健康に生きている人が必ずいます。以前、106歳で元気ハツラツとしているソ連の女性のインタビュー記事を読みました。健康と長寿の秘訣は何かというお決まりの質問に、彼女は「野菜なんか食べたことないね」と答えていました。

人間はもともと草食動物なのだという専門家もいれば、健康のために動物性タンパクを食べるべきだという専門家もいますが、人間は雑食動物であり、ただ生きるためだけでなく、よりよく生きるために驚くほどに多様な食物を食べるようにつくられているというのが事実だと思います。

かなり有名な本や健康食情報に記されている食養生法の大部分は、基本的に不健康法です。なぜなら、それらはすべて『人間のからだは不完全でもろく、正しい食物を正しい組み合わせで食べていなければすぐにも壊れる』というのを大前提にしているからです。そんな仮説を信じてしまうと、これまでお伝えしてきた私たちのからだに自然に備わった精密なメカニズムによる回復力や適応力を見くびってしまうことになります。

 

真のバランスのとれた食事とは?

私たちはこれまで耳にタコができるほど『バランスのとれた食事をしろ!』と言われてきましたが、専門的に学ばない限りバランスのとれた食事とはいったい何なのかは具体的に教わることがありません。専門的に学ぶといっても、これまでにも散々お伝えしてきたように、国が定めたカリキュラムにはさまざまな利権が絡んでいるので、それらが本当の真実であるわけではありません。真のバランスがとれた食事を知り、賢く選ぶためには、炭水化物・脂質・タンパク質という3つの基本的な栄養素と、それぞれがからだにどのように影響するのかをたった1つの偏った考え方ではなく多様でさまざまな角度や視点から学んでいく必要があります。では、栄養素について簡単にまとめてみましょう。

]]>

コメント

タイトルとURLをコピーしました