フランキンセンス

エッセンシャルオイル

深い呼吸に導く香り

フランキンセンスは、キリスト生誕の際、東方の三賢者がベツレヘムへ旅立つ時、黄金、ミルラとともに携えたといわれています。また、これが現在のクリスマスプレゼントの起源とされています。

フランキンセンスの香りは、呼吸器系の機能調節に優れます。ストレスによる浅く速い呼吸を改善し、深くゆっくりとした呼吸を取り戻します。そのため、宗教の儀式の場でよく使われてきました。また、頭痛や生理痛の痛みを緩和するために、呼吸法とともに使われます。さらにシワを予防する効果も知られています。

学名 Boswellia carterii
植物分類 カンラン科
和名 ニュウコウ
原産地 ソマリア、イエメン
使用部位/抽出法 粘性ゴム質の樹脂に水蒸気蒸留
主成分

アルファ-ピネン 30-65%

リモネン 8-20%

サビネン 1-8%

ミルセン 1-14%

ベータ-カリオフィレン 1-5%

アルファ-ツジェン 1-15%

パラシメン 2-5%

インセンソール Incensole

ORAC:630μTE/100g

精油の香りのタイプ/ノート バルサム系/ベース
香りの効能 精神的な意識を高め、瞑想を促す。また、フランキンセンスは態度を向上させ、精神を高揚させる。
効能 抗腫瘍、免疫刺激剤、抗うつ薬、筋弛緩
適応症 ぜんそく、うつ病、癌、呼吸器感染症、炎症、免疫刺激
その他の使用例

またの名を”乳香”、”オリバナムOlibanum)”または、”レバノンのオイル”として知られる。”フランキンセンス”は、中世フランス語の『真の香り』に由来している。中東では『聖なる注ぎ油』とされ、何千年もの間、宗教儀式で使用されてきた。キリストの時代には『聖なる注ぎ油の癒やしの力』として広く知られ、キリスト生誕の時に贈られたギフトの一つでもあった。あらゆる病気と考えられるすべての治療に使われたフランキンセンスは、古代においては金よりも価値があり、偉大な富に恵まれた者のみが所有していた。

紀元前16世紀にさかのぼる最も古い既知の医療記録の一つ、エーベルスパピルスには、フランキンセンスの877の処方とレシピが古代エジプトのリストに載っていたと記載されている。

最近の研究によると、フランキンセンスのセスキテルペンが視床下部、松果体、下垂体と同様、大脳の辺縁系(感情をつかさどる部分)を刺激することが分かった。視床下部は人間の体の主分泌気管で甲状腺や成長ホルモンなどのいろいろなホルモンの分泌をコントロールしている。フランキンセンスは今ヨーロッパの病因で治療学的に研究、使用されており、人間の成長ホルモンの分泌を改善する効果について研究が続けられている。

ヘブライ語/ギリシャ語で”芳香(incense)”を”frankincense”と翻訳されており、同じ樹脂を指していると考えられる。聖書にはフランキンセンスが52箇所以上に引用されている。

アレルギー、虫刺され、ヘビに噛まれたとき、気管支炎、癌、呼吸器感染、ジフテリア、頭痛、出血、ヘルペス、高血圧、炎症、ストレス、扁桃腺炎、チフス、いぼ。フランキンセンスはセスキテルペンを含む。セスキテルペンは血脳関門を通過し、そこから脳に到達し、脳の働きを刺激しストレスや絶望の克服を助ける。または感染症を防御する白血球の活動を促す。

使用法 エッセンシャルオイル1にV-6ベジタブルオイル1の割合で希釈する①2−4滴局部に塗布する。②チャクラ及び、又はヴァイタフレックス反射点にオイルを塗布する。③直接吸入する。④噴霧する。⑤サプリメントとして摂取するときは、フランキンセンス1にV-6ベジタブルオイル4の割合で希釈し、カプセルに入れる。3食食前に1カプセルまたは、必要に応じて摂取する。
禁忌、注意事項

・妊娠中または治療中の時は医師に相談してください。

コンパニオンオイル

すべてのオイル。

 

 

東洋医学と占星術
 
 
瞑想、精神の解放
フランキンセンス、あるいはオリバナムと呼ばれるニュウコウジュは樹高3〜7mの低木です。細い葉を多くつけ、白、あるいは淡紅色の花を咲かせます。幹に傷をつけると、乳白色の油質の樹脂がにじみ出ます。樹脂はオレンジ色がかった茶色のガムに変色して固まり、これを水蒸気蒸留すると精油になります。中近東や北アフリカ原産の乳香樹は、ソマリアやエチオピア、南アラビア、中国において栽培されています。
 
性質 涼・燥
五行 土と金
元素 風(熱1度、湿2度)
支配星/星座 太陽/獅子座
歴史

古代エジプトやバビロニア、ペルシア、ヘブライ、ギリシア、ローマのそれぞれの文明において、フランキンセンスは宗教儀式や日常生活に使用されていました。歴史のあけぼのから、香の成分として最も重要だったのでしょう。それを裏付けるのは、フランキンセンスの語源。これは『純粋』や『自由』を表す中世期のフランス語のfrancと『燻く』という意味のラテン語のincensiumの合成語です。

エジプト人はフランキンセンスを儀式用の薫香として、また化粧品として使いました。この樹脂を炭化させてコールと呼ばれる黒い粉末をつくり、エジプト女性たちの目元を黒く縁どりました。さらにフランキンセンスは日没の頃、寺院で焚かれるキーフィという有名なお香の主要成分の一つでもありました。

フランキンセンスはユダヤ人が儀式の際に焚く香の4つの主な原料の一つでもあります。安息日には欠かさず供物として捧げられ、その歴史は何世紀にも及びます。生誕後まもないイエスに献上されたフランキンセンスの樹脂は、聖書には合わせて22回登場します。

身体への作用

フランキンセンス油には、抗カタル作用と去痰作用があり、特に神経性の緊張を伴う気管支炎や喘息にも役立ちます。この精油は「呼吸を深くする」といわれ、胸部の「緊張」を解消する助けとなります。抗感染作用と鎮静作用がるため、副鼻腔炎や咽頭炎にも使用することができます。

フランキンセンス油が気の流れをなめらかにし、神経系を鎮めるということは、カモミール油やラベンダー油と同様、効果的な鎮痛作用があるということです。このため、リウマチや月経痛、上腹部痛に役立ちます。この精油には免疫系の強壮作用があると考える人もいて、ティーツリー油のように、特に憂うつが衛気を弱める危惧がある場合にも良いのです。

心への作用

フランキンセンス油には、特に神経系に重要な作用があります。リラックスさせて活力を与える力は、神経性の緊張と衰弱の両方に効果的です。ストレスが溜まり、イライラして落ち着かず、眠れないときにはいつでも、気滞を解消してなめらかに循環させます。穏やかな強壮作用をもち、気持ちを高揚させることが、フランキンセンス油を抗うつ作用のある大切な精油にさせます。

フランキンセンス油の心と霊性に益となる深遠な作用は、世界中の宗教や霊的な慣習に長く認められてきました。五行説と結びつけて考えると、フランキンセンス油は基本的に「土」の元素に属するようです。心を鎮め、集中させる働きは、穏やかに安定させながら、根底から明らかにする「意」への作用を反映しています。サンダルウッド油と同様に、フランキンセンス油は瞑想や黙想、祈りにふさわしい環境を作り、心のおしゃべりを止め、精神を鎮めます。一点に集中した状態を支えながら、スピリットを飛翔させるのです。

日常いおいては、この精油はイライラや不安感に役立つでしょう。あるいは、さまざまな思いが不協和音を奏で、心が乱れて手に余るときはいつでも助けになります。

 

聖なる目 ウジャ

フランキンセンスはカモミールと同様に、エジプトの太陽神ラーを讃えるハーブでした。

「すべてを見通す目」、ウジャはラー神の根源的な象徴。この神聖な目は裁きに燃えて輝きます。フランキンセンス油は心のあかりをふたたび灯します。

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