エッセンシャルオイルを安全に使うために

エッセンシャルオイルを使う時に、特にオイルとその効果に精通していない場合は、守らなければならない重要な13項目のガイドラインをまとめました。

これらは基本的なルールですが、どのような注意書きよりも大切なのは常識的な判断です。深さの分からない池にいきなり飛び込むようなことはさけ、少しずつ試しながら時間をかけてエッセンシャルオイルのことを学び、自分自身やご家族に最も適した方法を見つけ出してください。

 

安全のための基本的なガイドライン

1.エッセンシャルオイルを使うときは、常に純粋な植物オイルを一瓶、手近に置いておきます。エッセンシャルオイルが不快感や皮膚のかゆみを与えた場合、植物オイルで薄めることができます。

 

2.エッセンシャルオイルの容器はきちんと蓋をして、冷暗所に保管します。適切に保管してあれば、エッセンシャルオイルはその力を何年も保つことができます。

 

 

3.エッセンシャルオイルは子どもの手の届かないところで保管し、薬品類と同様に扱ってください。

 

 

4.メントールを多く含んだエッセンシャルオイル(ペパーミントなど)は、2歳半未満の幼児の首や喉に塗布しないでください。

 

 

5.アンジェリカベルガモットグレープフルーツレモンオレンジタンジェリンなどの柑橘系のオイルは、光に反応します。塗布後3〜4日のうちに直射日光や紫外線に当たると、肌に発疹やシミができることがあります。

 

 

6.エッセンシャルオイルを目の周りに塗布したり、直接耳に入れたりしないように注意してください。エッセンシャルオイルのついた指でコンタクトレンズを触ったり目をこすったりしないでください。フェノール含有量の多いオレガノシナモンタイムクローブレモングラスベルガモットなどのオイルは、ごく微量であってもコンタクトレンズを損傷し、目にかゆみを与えます。

 

 

7.エッセンシャルオイルに限らず妊娠中に何かの健康法を始める場合は、必ず専門家に相談してください。

 

 

8.てんかんや高血圧の人は、エッセンシャルオイルの使用前に専門家に相談してください。特にヒソップフェンネルバジルウィンターグリーンバーチナツメグローズマリーペパーミントセージタラゴンタンジーは注意が必要です。

 

 

9.高血圧の人は、セージローズマリーを避けてください。

 

 

11.GRAS(一般的に安全とみなされるカテゴリー)のエッセンシャルオイルを服用する場合、まず1滴を小さじ1杯のオイル溶性の液体、例えばアガベ*、オリーブオイル、豆乳、ライスミルク(味付きの重湯のようなもの)に加えて反応を確かめます。希釈する場合でも1日数滴以上のエッセンシャルオイルを医師の処方なしに服用しないでください。

*アガベ・・・リュウゼツランの一種(ブルーアガベとサルミアナ)の根茎に熱を加えて製造する甘いシロップ。

アガベの甘さが海外の研究者によって血糖上昇の穏やかな甘味料であることが解明されてから糖尿病患者や肥満などの健康問題が増す欧米など先進国においてヘルシーな甘味料として定着している。

 

 

12.希釈しないエッセンシャルオイルを直接浴槽に入れないでください。エプソムソルト(にがりを含む塩)またはバスジェルを使ってオイルを浴槽に加えることで、湯の中に十分拡散させることができます。拡散用の浴剤を使わずに直接浴槽に入れた場合、エッセンシャルオイルは拡散せずに湯の表面に浮いてしまうため、肌の敏感な部分に強い不快感を引き起こすことがあります。

 

 

13.炎や火花、電気を使っているところにエッセンシャルオイルを近づけないでください。オレンジ、ファー、パイン、ペパーミントなど、エッセンシャルオイルによっては可燃性を示すものがあります。

 

 

注意:エッセンシャルオイルを目の周りまたは目の中に使用すると、激痛を伴うことがあります。オイルによっては、適切な希釈をせずに粘膜に使用すると痛みを伴います。皮膚に痛みを伴ったかゆみを生じた場合や誤ってオイルを目に入れた場合には、直ちに希釈してください。植物オイルでその部分を軽く洗えば、痛みは和らぎます。決して水で洗わないでください。エッセンシャルオイルはオイルには溶けますが、水には溶けません。水をつけるとオイルがより広い範囲に広がって、さらに悪化させることがあります。

 

 

 

 

一般的なエッセンシャルオイルの使用基本的ルール

1.飲んではいけません
ヨーロッパの医療機関では、内服をすすめるケースがありますが、あくまでも医師の専門的な指導のもとに行われています。決して個人の判断で飲んではいけません。もし、誤って飲んでしまった場合は、すぐに吐き出し、大量の水で口をすすぎ、病院に行って、検査を受けてください。目に入ってしまった場合も同様です。

 

2.原液を、直接肌につけてはいけません
精油は、天然の植物が凝縮されているものです。直接肌につけるには、刺激が強すぎるので気をつけましょう。肌に使うときは、必ずキャリアオイルや水などで希釈して使います。

※ラベンダーとティートゥリーは例外的に原液のまま肌につけることができます。切り傷ややけど、皮膚炎などの症状には綿棒に染み込ませて患部に塗るようにします。


3.皮膚につかう場合は、パッチテストを

純度が高い天然の素材(100%ピュア(天然)&ナチュラル)である精油は、薬物にくらべるとアレルギーが起こりにくい利点があります。しかし、体質や精油の種類によっては、接触アレルギーを起こすこともあります。そこで精油を皮膚に使う前には、簡単なパッチテストをしましょう。前腕の内側にブレンドオイルを塗り、30分後に皮膚の状態を見ます。赤く、かゆくなり、しだいにふくらんでくれば、アレルギーがあるということです。マッサージオイルを使う場合は、キャリアオイルでもテストしましょう。ブレンドオイルでもかまいません。

 

4.効能と危険性をしっかり把握して使いましょう
高血圧・低血圧の人、てんかんなどの疾患のある人は、使用を控えたほうがよい精油があります。→使用に注意が必要な精油一覧参照
柑橘系の精油などには、光毒性(光感作用)のあるものもあり、皮膚に塗布した状態で直射日光に当たると、紫外線と精油の成分が反応し、発赤や色素沈着を起こすことがあります。使用する際には注意してください。

 


5.妊婦のための注意

精油の中には、子宮の収縮を促したり、生理を引き起こしたりするものもあります。→使用に注意が必要な精油一覧参照
アロマバスやマッサージなどを行うときは、専門家に相談しましょう。


6.子どものための注意

子どもは抵抗力が弱く、体重も少ないので、大人に比べて精油の影響を受けやすいといわれています。精油を使うときは注意が必要です。

(乳幼児=0ヶ月~3歳)
芳香浴以外での使用は不可。芳香浴には、火を使わない、ディフューザーがおすすめです。長時間拡散しないようにしてください。

(子ども=4歳~14歳)
バスやマッサージでの使用もできますが、低濃度から使用しはじめ、大人の1/2以下の濃度にしましょう。ラベンダー、カモミール・ローマン、ティートゥリーなどは作用が穏やかなのでおすすめです。15歳以上は、成人と同じ使用量でかまいません。


7.火気のそばで使うのは避けましょう

精油は引火する可能性があります。ガスコンロやガスレンジ、キャンドルなどの火気のそばでの使用はやめてください。オイルウォーマーも正しい使用法を守りましょう。


8.冷暗所で保管し、使用期限内に使いましょう

精油は光や熱、空気、湿気などの影響を受けやすい性質をもっています。使用後はすぐにキャップをしっかりと閉め、湿度の高いバスルームなどには置かないようにしてください。特に高温多湿になる夏は冷蔵庫で保管するとよいでしょう。
子どもやペットの手の届かないところで保管してください。
また、精油には使用期限があります。パッケージに表示されている場合はその使用期限を守ってください。目安としては、柑橘系の精油は6ヶ月未満、そのほかの精油は2~3年が使用期限になります。

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