最愛の人を失う恐怖【水物語04】

諸悪の根源

私たちは水によって生かされています。が、同時に水によって生命を奪われていることを知っていますか?

エリン・ブロコビッチという実話を元にした映画では、大企業が住民を騙して有毒な工業排水を垂れ流していたために、そこに住む多くの人々がガンを発症し苦しみました。まだ幼い子どもたちまでもが、病魔に侵されてパジャマを脱ぐことも外を出歩くことさえも許されず、ベッドの上だけでその短い人生を終えていました。

有り難いことに、知りたいと思う人は誰でも簡単に情報にアクセスすることができるようになった現代では、地域の水源の汚染情報を簡単に知ることができますので、興味のある人は自分の住んでいる地域の水の状況を調べてみてください。

ただし、その映画の中でも描かれていたように、データや情報は必ずしも正しいとは限りません。悲しいことですが、これまで話してきたように、多額のお金によってデータの改ざんや情報操作がさまざまな場面で行われています。

さらに困ったことに、私たちは権力や権威のあるものの意見を正しいと感じるように教育されてきました。そして、大多数の人々が同じ教育を受ける仕組みと、その中で埋め込まれた多数決原理によって、強大なものが決めたことや、そこで発せられる情報に間違いがあるとはほとんどの人が微塵も疑おうとはしません。

映画の中でも大勢の住民が巨大企業の流した嘘の情報を鵜呑みにして、いざ病気を発症したら誰もその工場の排水に原因があるなんて考えもせずに、自分のこれまでの行いを嘆いたり、悪習慣を悔やんだり、最愛の人を失う恐怖から誰彼構わず恨み言を吐き出しては辛く落ち込むことを繰り返したりします。

そうこうしているうちに、病気は悪化し、発病者が増えてきます。ある日突然鼻血が出て止まらなくなったり、原因不明の頭痛やうつ症状が頻繁に起こるようになります。

工場の垂れ流す排水の成分がデータと異なること、そしてその強力な有害性に気づいた一人の女性がそのことを伝えようとしても、誰も聞く耳を持ちません。証拠も筋も通っているのにもかかわらず、です。私たちは、一度自分がこうと信じたものをひっくり返すのにとても摩擦を感じてしまいます。自分や大切な家族の生命が脅かされている時でさえも、自分が一度信じたことと巨大企業という権威には抗えないのです。

この映画は実話に基づいた物語ですが、人間のサガと長年の刷り込み教育による心理変化への抵抗がとてもよく描写されていますし、現実社会においても驚くほど同じような物事が溢れかえっています。

真実の見分け方

インターネットの普及によって、良くも悪くも世界中のあらゆる情報にアクセスできるようになった現代では、知りたいと思えば簡単に情報を深堀りさせていくことができます。が、規制が確立していないために、その情報やデータ自体の信憑性が定かではありませんし、巨大な力が働いていてアクセスできない情報や改ざんされた情報が流されていることも多々あります。

では、どうやって本当の本物の真実にたどり着けば良いのでしょうか?答えはいくつかありますが、まずは、

一つの情報だけを信じないこと

です。

どんなに影響力や権威があるものの発信した情報であっても、鵜呑みにせずに調べてみることです。いろいろな角度から関連用語を追加しては情報を洗います。まだまだ無法地帯のネット上の情報だけでなく、多くの目で検閲された信頼性のある書籍に目を通すこともおすすめです。逆に、スポンサーの出資によって成り立っているテレビやラジオなどのメディア情報は、真実を織り交ぜながら巨大な利権絡みの洗脳の力が加えられていることも少なくありません。

次の方法は、

自分で実際に試してみる

です。

世の中に出回っている情報のあらゆるすべてのことを実証することは難しいですが、私たちにも簡単にできることがいくつかあります。

たとえば、このような水質検査キットを使えば1回当たり200円弱で簡単に水道水の安全確認を行うことができます。

子どもの夏休みの自由研究にももってこいですが、この検査キットで分かることは残留塩素濃度と水の総硬度のみです。

私たちは、長年の教育によって欲しいものや良いものは苦労して、コツコツ努力しなければ手に入らないと教えられてきました。人間のからだは60〜70%が水だということも、私たちが生きる上で何よりも必要な大切なものが水だということも知っているにもかかわらず、水があまりにも身近なものであるために、時間をかけて学ぼうとも、何らかの労力や働きかけをしてその安全性を自分の目で確かめようともしません。

そして、私たちに必要不可欠な水の安全性をどうにかしようなんて考えもせずに、何か別の、もう少し程良くお金のかかるよく分からないものに何となく価値を感じてしまいます。実はそんな遠回りや無駄遣いをせずに目の前の水をどうにかするだけで、からだの不調が改善したり心身のバランスが調ったり、頭の回転が良くなったり、集中力が高まったり、からだ全体が若返ったり、肌や髪の状態が驚くほど良くなったり、適切な食事量で十分満足感が得られるようになったりするのです。

 

水の種類

地下水、井戸水、ペットボトルの水、水道水、海水、川や湖の水、湧水、雨水・・・私たちの周りにはあらゆる水がありますが、それぞれどのような特徴やつながり、そして水の中にはどのような成分があるのでしょうか。

水質項目

水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準の定められている項目で、最も基本的な水質項目は9つです。

水質項目 解説

1.pH:
水素イオン濃度指数

水溶液の酸性、アルカリ性の度合いを表す指標。pHは0から14まであり、pHが7のときに中性、7を超えるとアルカリ性、7未満では酸性を示す。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)で、海域以外の公共用水域に排出されるものについて「5.8〜8.6」、海域に排出されるものについて「5.0〜9.0」と規定されている。
2.BOD:
生物化学的酸素要求量
水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量。BODが高いと溶存酸素量が欠乏しやすくなり、汚濁しているために悪臭が発生しやすくなる。河川で類型別に定められており、「1mg/L以下」から「10mg/L以下」を利用目的の適応性によりあてはめる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)で、海域及び湖沼以外の公共用水域に排出されるものについて「160mg/L以下(日間平均120mg/L以下)」と規定されている。
3.COD:
化学的酸素要求量
水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、CODが高いと汚濁していることを示す。湖沼や海域の水質汚濁の一般指標として用いられる。水質汚濁にかる環境基準で、CODの環境基準は、湖沼及び海域で類型別に定められており、湖沼では「1mg/L以下」から8mg/L以下」が、海域では「2mg/L以下」から「8mg/L以下」が利用目的の適応性によりあてはめられる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)で、海域及び湖沼に排出されるものについて「160mg/L以下(日間平均120mg/L以下)」と規定されている。
4.SS:
浮遊物質量
水中に浮遊または懸濁している直径2mm以下の粒子状物質の量のこと。SSが高いと濁りの程度が高いことを示す。水質汚濁に係る環境基準で、SSは河川及び湖沼で類型別に定められており、河川では「25mg/L以下」から「ごみ等の浮遊が認められないこと」、湖沼では「1mg/L以下」から「ごみ等の浮遊が認められないこと」を利用目的の適応性によりあてはめる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)で、公共用水域に排出されるものについて「200mg/L以下(日間平均150mg/L以下)」と規定されている。
5.DO:
溶存酸素量

水中に溶け込んでいる酸素の量を指す。DOは水の自浄作用、水生生物の生存に不可欠なもの。

6.大腸菌群数 大腸菌及び大腸菌と性質が似ている細菌の数のことをいい、水中の大腸菌群数は、し尿汚染の指標として用いられる。水質汚濁に係る環境基準で、大腸菌群数は類型別に定められており、河川、湖沼では「50MPM/100mL以下」〜「規定なし」が、海域では「1,000MPM/100mL以下」〜「規定なし」が、利用目的の適応性によりあてはめられる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)では、公共用水域に排出されるものについて「日間平均3,000個/cm3以下」と規定されている。
7.T−N:
窒素含有量
溶存窒素ガス(N2)を除く窒素化合物全体の含有量のこと。無機態窒素と有機態窒素に分けられる。富栄養化によるプランクトンの異常増殖の要因となりアオコや赤潮等の発生原因となる。水質汚濁に係る環境基準で、T−Nは湖沼及び海域で類型別に定められており、湖沼では「0.1mg/L以下」から「1mg/L以下」が、海域では「0.2mg/L以下」から「1mg/L以下」が利用目的の適応性によりあてはめられる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)では、公共用水域に排出されるものの一部について「120mg/L以下(日間平均60mg/L以下)」と規定されている。
8.T−P:
リン含有量

総リンはリン化合物全体の含有量のことで、無機態リンと有機態リンに分けられる。リン化合物も富栄養化によるプランクトンの異常増殖の要因となり、アオコや赤潮等の発生原因となる。水質汚濁に係る環境基準で、T-Pは湖沼及び海域で類型別に定められており、湖沼では「0.005mg/L以下」から「0.1mg/L以下」が、海域では「0.02mg/L以下」から「0.09mg/L以下」が利用目的の適応性によりあてはめられる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)では、公共用水域に排出されるものの一部について「16mg/L以下(日間平均8mg/L以下)」と規定されている。

9.n−Hex:
ノルマルヘキサン抽出物質含有量

n−Hexとは、動植物油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質などの脂肪酸誘導体、ワックスグリース、石油系炭化水素等の総称で、溶媒であるn−Hexにより抽出される不揮発性物質の含有量を指す。水中の「油分等」を表す指標として用いられる。水質汚濁に係る環境基準で、n−Hexは海域で類型別に定められており、利用目的の適応性により「検出されないこと」〜「規定なし」があてはめられる。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づく排水基準(一律排水基準)では、公共用水域に排出されるものについて「5mg/L以下(鉱油類含有量)、30mg/L以下(動植物油脂類含有量)」と規定されている。

よろしければ、こちらの図解レポートもご覧ください。

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