地域おこし協力隊とは?—外からの視点で地域を活性化する
地域おこし協力隊とは、都市部から地方へ移住し、地域の活性化を目的としてさまざまな活動を行う制度です。農業や林業、観光振興、地域産業の支援など、その活動内容は多岐にわたります。地方の人口減少や産業の衰退が進む中、外部の新しい視点やスキルを取り入れることで、地域に新たな価値を生み出そうとする試みです。また、自治体ごとに異なるミッションが設定されており、地域の課題解決に貢献することが求められます。
私がこの制度について知ったのは、農業研修の仲間からの紹介でした。ちょうど私が農業、一次産業、中央集権の限界と地方分権など、ビジョンが明確になっていく中、未来について模索していた時期だったのでとても不思議なご縁を感じました。都市部に住んでいると、地方の実情や課題にはなかなか気づきにくいものですが、実際に何度も訪れて自分の目で見て耳で聞き、地域の方々と関わり、さまざまな現実に触れることで、多くの気づきを得ることができました。
那珂川町の協力隊も例外ではなく、林業・農業・観光・移住促進などの分野で、町の発展をサポートする役割が期待されています。私は、那珂川町の豊かな森林資源を活かしながら、持続可能な暮らしの形を探求し、地域の人々と共に学び、実践することを目標に協力隊に参加しました。
地域おこし協力隊の活動と求められるスキル
地域おこし協力隊には、企画力やコミュニケーション能力、地域の人々と協力しながら活動する力が求められます。また、自ら学び、試行錯誤しながら地域に新しい風を吹き込む柔軟性も大切です。
例えば、林業の活性化を目的とした協力隊員は、伐採や製材といった技術的な部分だけでなく、木材の活用方法を考えたり、地域の人々に森林資源の重要性を伝えたりする役割も担います。また、農業や観光業と組み合わせて、地域全体の循環を生み出すこともできます。
私が目指す未来
私が目指しているのは、「それぞれの得意を活かして助け合い、心地良く暮らせる地球」を実現することです。そのためには、地域資源を有効活用し、持続可能なライフスタイルを提案することが不可欠です。
地域おこし協力隊のような取り組みは、まさにその一歩となります。林業や農業を通じて、自然と共生する暮らしを実現すること。都市と地方をつなぐ架け橋となり、新たなライフスタイルを模索すること。こうした挑戦を続けながら、未来の世代が豊かに暮らせる環境を整えてきたいと考えています。
この活動を通じて、地域に新しい価値を生み出し、そこに住む人々と共に成長していく。そんな未来を描きながら、これからも一歩ずつ進んでいきたいと思っています。
なぜ那珂川町の地域おこし協力隊に魅力を感じたのか?
私は、一生涯林業や農業の専門家になりたいわけではありません。それよりも、「それぞれが心地よく暮らすための林業や農業」 を考え、実践していきたいと思っています。
那珂川町に魅力を感じた大きな理由は、「林業資源を地域で活かすための取り組みがすでに進んでいる」 からです。
木質バイオマス発電によるエネルギーの地産地消(町のエネルギーの約8割を供給)
「木の駅プロジェクト」による間伐材の有効活用と地域振興
公共施設の木質化など、町内での木材利用の促進
このような取り組みが行われている町だからこそ、私のビジョンである「持続可能な村づくり」に向けて学び、実践できる機会があると感じました。
地域おこし協力隊としての役割
林業に携わる地域おこし協力隊の活動は、林業を軸に地域と関わり、資源を活かした持続可能な暮らしの形を考えることだと感じています。具体的には、次のようなことに取り組んでいきます。
① 林業の基礎を学び、持続可能な森づくりを考える
林業は、ただ木を切るだけの仕事ではありません。適切な管理を行うことで、森を守り、地域に利益を還元する仕組み を作ることができます。
私は、
🌱 間伐や植林の技術を学び、森林の循環を理解する
🌱 町の林業従事者と協力し、地域の現状や課題を肌で感じる
🌱 地域の木材を「どう活かせるか?」を考え、実践につなげる
といった形で、林業の可能性を探っていきます。
② 林業×農業の視点で、食と暮らしのつながりを考える
林業だけではなく、私は並行して自然栽培の農家さんのもとで学びたいと思っています。
🌿 木と土の関係を学び、森と農のつながりを考える
🌿 林業と農業の両方を知ることで、持続可能な食と暮らしをデザインする
🌿 「自給的な暮らし」の実践を通じて、地域の人々と新たな価値観を共有する
「木を育てる」「土を育てる」「食を育てる」—— これらの視点を持つことで、自然の恵みを愉しみ、自然と共に暮らすヒントが見えてくるはずです。
③ 地域の木材を活かした暮らしの提案
町ではすでに、公共施設の木質化やバイオマス発電が進められていますが、私はさらに、「地域の人たち自身が木材を活かす」 ことに注目したいと思っています。
🏡 地元の大工さんと協力し、木材を活用したリノベーションを学ぶ
🛠 DIYや木工のワークショップを企画し、木と触れ合う場を作る
🏠 「まんまるな暮らし」を実践し、家づくり・家具づくりの可能性を探る
地域の木材を特定の公共事業のために使うのではなく、住民一人ひとりが使いこなせる形にすることで、資源がもっと身近なものになっていくはずです。
私が目指す未来—「まんまるな村」
私が理想とするのは、「まんまるな村」 です。
🔵 誰もが主役で、誰もが責任者
🔵 林業や農業、食や住をみんなで支え合いながら循環させる
🔵 都会の人が少し足を伸ばして訪れ、自然と触れられる場所をつくる
特定のリーダーがいるわけではなく、それぞれの得意を活かし、必要な時に必要なことをする。そんな柔軟なコミュニティを、那珂川町での経験をもとに形にしていきたいと考えています。
「今」を積み重ねて未来を創る
地域おこし協力隊の任期は限られていますが、私はこの経験を単なる3年間の挑戦で終わらせるつもりはありません。
この町で学び、地域の人々とつながることで、「どうすれば持続可能な暮らしができるのか?」を探り続けます。
未来は、今日の積み重ねでできている。だからこそ、今日の学びや実践を大切にしながら、一歩ずつ理想の暮らしに近づいていきたいと思います。
次回の記事では、木材利用の可能性について、地元の資源をどう活かせるのか? という視点で深掘りしていきます。



コメント