ビジョンと現実が交差し始めたら・・・

私が目指す村づくりと、林業・農業の可能性

私は、ただの林業家や農業家になりたいのではなく、「それぞれが心地よく暮らすための林業であり、農業である」ことを大切にしたいと思っています。得意を活かし、支え合い、助け合いながら、自然と調和した暮らしを実現するための“村づくり”が私のビジョンです。

地域おこし協力隊に応募を考えた時、私には林業と農業の選択肢がありました。どちらも自然の恵みとともに生きるための大切な仕事ですが、私は「農家になりたい」というわけではなく、また「林業を一生の仕事にしたい」という思いとも違います。では、なぜ林業や農業に携わろうとしているのか? それは、私のビジョンの根幹にある“自然とともにある暮らし”を実現するための手段だからです。

 

林業と農業、それぞれの可能性

林業と農業は、どちらも村づくりにおいて欠かせない要素です。

林業の可能性

木はただ建材として使われるだけではなく、人々の暮らしの中で多くの役割を果たします。例えば、自然素材の家づくりにおいては、木の呼吸が快適な空間をつくり、住む人の健康にも良い影響を与えます。薪ストーブの燃料として、冬の寒さをしのぐエネルギー源にもなりますし、炭を作れば土壌改良にも活用できます。森を整え、適切に資源を循環させることは、環境を守ることにもつながります。

林業の活動は週4日の勤務となるため、残りの時間を自分の活動に使うことができます。となると、林業に関わりながらも、並行して農業を学び、実践することができる環境が整っていると感じました。

農業の可能性

私は以前から自然栽培に深く関心を持っており、農業研修を通して「農業そのものは好きだ」と感じています。しかし、私の目指すのは“農家”になることではなく、「どういう農業が本当に未来につながるのか」を模索しながら実践することです。

なぜ、自然栽培に深い関心を寄せるようになったのか?

Vision&Story
母として、働く人として、ただの“私”として。 すべてを守りたかった。かつて、私は必死でした。子どもたちのために、家族のた...

自然栽培を通じて学ぶことは、ただ作物を育てる技術だけではありません。土の力、植物と微生物の関係、季節の流れ、人間の介入のバランス——そういったものすべてを知ることで、私たちがどのように地球と共生できるのかが見えてきます。農業は単なる「食べるものを作る手段」ではなく、「自然と対話し、暮らしを豊かにする知恵」なのです。

 

「まんまるな村」を目指して

私が思い描く村づくりは、特定のリーダーや支配的な構造を持たず、誰もが主役であり、誰もが責任者である——そんな「まんまる」なコミュニティです。

まんまるな関係性とは、誰かに依存するのではなく、それぞれが自分の役割を持ちつつ、支え合いながら循環する社会のことです。たとえば、私は林業の仕事を通じて木の扱いを学びながら、農業の知識も深めます。その知識を活かして、家づくりや土づくりに貢献できます。逆に、村の中には、食を支える人、手仕事で暮らしを彩る人、コミュニティの調和を取る人——さまざまな役割を持った人々が共存する。そうやって、循環型の社会を築いていきたいのです。

 

実際に行動することの大切さ

私は、ただ理想を語るだけではなく、実際に手を動かし、学びながら形にしていきたいと考えています。その一環として、明日から栃木県の自然栽培農家さんのリノベーションイベントに参加します。これは、単なる家の改修作業ではなく、「未来の暮らしを考えるための時間」でもあります。

自然と共に生きる学びの場
栃木県那珂川町——自然と文化、豊かさが息づく里山栃木県那珂川町は、広大な自然と里山の風景が広がり、心地よい暮らしの息吹が...

私たちが日々どんな環境に身を置き、どんな素材に囲まれて暮らすのか——それは、心身の健康にも、持続可能な未来にもつながっています。リノベーションを通して、自然素材の住まいの大切さを実感しながら、自分のビジョンをさらに具体化していきたいです。

 

「今」を積み重ねて未来をつくる

朝、目が覚めた瞬間にふと浮かんだ言葉があります。

「今日一日をどう過ごすか。毎日の積み重ねが未来を創る」

これは、ただの思いつきではなく、私がこれまでの経験を通して実感してきたことです。未来を変えたいなら、まずは今の行動を変えること。迷いながらも一歩を踏み出すことで、見えてくるものがあります。

私は、盲信するのではなく、柔軟に軌道修正しながら、周りの人々や地球と調和する道を選びたい。無理をせず、楽しみながら、未来につながる毎日を大切にしたい。

そして、そんな思いを共有できる仲間とともに、心地よい循環が生まれる村をつくっていきたいと思います。

 

 

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