栃木との出会いは、「麻」から始まりました。
この植物には、私の心を掴んで離さない無限の可能性がありました。
衣服を織り、医療を支え、疲れた土壌を癒し、
さらには石油に代わる燃料にもなる。
それは、人にも地球にも優しい、未来を変える力を秘めていました。
麻を育てる夢を抱え、
その種を蒔こうとしたとき、立ちはだかったのは法律と規制。
簡単に進められる道ではないと知り、挫折しかけたこともありました。
それでも諦めたくなかった。
私は栃木の地を訪れ、何度もその空気を吸い、
水の味わいに驚き、野菜の瑞々しさに心がほどける思いをしました。
そこに住む人々の温かさに触れるたびに、
ただの訪問者ではなく、仲間として迎え入れられるような感覚を覚えました。
そして出会ったのです。
自然栽培で麻を育てる方とのご縁が私の心に火を灯しました。
その方の生き方と大地への愛が、私の夢を一歩現実に近づけたのです。
リコネクトビレッジの構想は、ここで形を持ち始めました。
ただ麻を育てるだけではない。
自然と人が調和し、心がほどけ、自分自身に出会う場所を作りたい。
そのビジョンが、栃木という地でなら叶えられると確信しました。
今、私は栃木県への移住、あるいは二拠点生活という選択肢を心に描いています。
この地で築き上げる未来には、私の過去の経験が気づかせてくれた、多くの人の笑顔溢れる、
ご縁で集まった一人一人が心地良く、自分を愉しみながら生きている、
そしてこれから出会う、より多くの人々の笑顔が溶け合い、一つの大きな輪になっていくビジョンが描かれています。
「麻」という小さな種が、こんなにも大きな物語を紡ぐなんて。
それは私自身が、この地と人々にリコネクトされた証なのかもしれません。