レモン

エッセンシャルオイル

気(生命エネルギー)を高める

食べるフルーツとしてのレモンはアメリカのカリフォルニアやフロリダ産が有名ですが、精油に使われるレモンはイタリアのシシリー産のものが名高く、香気が優れているといわれています。

精油のフレッシュで鋭い柑橘系の香りには、心身をリフレッシュし、体全体から発せられる気(生命エネルギー)を高める働きがあります。そのため、頭脳を明晰に保ち、疲労感を防ぎます。さらに、白血球の活動を活発にして免疫系を賦活させます。消化酵素の分泌など消化器系の機能を高める働きもあります。

学名 Citrus Limon
植物分類 ミカン科
和名 檸檬
原産地 カリフォルニア、イタリア
使用部位/抽出法 外皮を熱せずに圧搾蒸留する。3000個のレモンから1キロのオイルが取れる。
主成分

リモネン 59-73%

ガンマ-テルピネン 6-12%

ベータ-テルピネン 7-16%

アルファピネン 1.5-3%

サビネン 1.5-3%

ORAC:660μTE/100g

精油の香りのタイプ/ノート 柑橘系/トップ
香りの効能 香りは考えと目的を明確にすることを促進する。つまり、さわやかになり、向上心が出て温まる。三重大学の研究では、柑橘系の香りが弛緩、免疫力を上げ、うつ病を改善させることが分かった(小森ら,1995)。
効能 抗腫瘍剤、防腐剤、微小循環、免疫刺激剤(白血球細胞を増加させることができる)改善し、記憶の向上、弛緩、リモネンが豊富で、腫瘍増殖に対抗する能力について、50以上の臨床試験で広範に研究されている。
適応症 循環器系の問題、動脈硬化症、肥満症、寄生虫、尿路感染症、静脈瘤、不安、高血圧、消化器障害、にきび
その他の使用例

レモンは防腐剤的な性質を持ち、免疫機能の効果を研究されている化合物を含んでいる。ジャン・ヴァルネット博士によると、レモンの蒸気エキスは骨髄炎菌を15分で、チフス菌を1時間、ブドウ球菌を2時間、肺炎球菌を3時間で殺すという。0.2%溶液でもジフテリア菌を20分で殺すことができ、結核菌を20分で不活性化する。

また、レモンオイルは皮膚を清潔にし、しわを伸ばし、にきびに対処するために、スキンケアに使用されてきた。レモンの皮は防腐剤、胃腸内のガスを排出、利尿、正常な消化、血管刺激剤と保護、ビタミンCとして使用された(アリアスら,2005)。

また、香味料として使用され、クリーニングや料理のため、また壊血病やその他のさまざまな病気を治療するために使われた。

使用法 エッセンシャルオイル1にV-6ベジタブルオイル1の割合で希釈する①2−4滴局部に塗布する。②チャクラ及び、又はヴァイタフレックス反射点にオイルを塗布する。③直接吸入する。④噴霧する。⑤サプリメントとして摂取する。
禁忌、注意事項

・皮膚が24時間以内に直射日光や紫外線にあたる場所にはオイルの塗布をしないでください。

コンパニオンオイル

ジャーマンカモミール、ユーカリ(Eucalyptus radiate)、フランキンセンス、ゼラニウム、ジュニパー、ペパーミント、サンダルウッド、イランイラン

 

 

東洋医学と占星術
 
 
清涼、明解、信頼
レモンは常緑の小高木。受講は3~6m。淡緑色の葉は卵型。白とピンク色の花には強い芳香があります。1本の木には年間1500個ほどの果実が実り、熟すると緑から黄色に変化します。
 
性質 涼・燥
五行 土と火
元素
支配星/星座 金星・海王星/双子座
歴史

他の柑橘類と同じように、レモンはアジア原産。2世紀にはギリシアへ伝搬されましたが、ヨーロッパへは中世に入り、スペインとシシリー島で栽培されるまで、あまりその価値は認められませんでした。現在は地中海沿岸地方全域に栽培され、精油の生産高が最も多いのはフロリダとカリフォルニアです。

ローマの歴史学者ヴァージルが「メディア人のリンゴ」と称したレモン。古代の人々は果皮を衣類の香り付けと虫よけに用いました。しかし、レモンの薬効が十分に認められたのは17世紀後半、ネオ・ガレノス派の薬剤師ニコラ・レムリーです。1698年の著書の中で、彼はレモンには浄血作用と駆風作用があると記しています。さらに、イギリス海軍が長い航海中の壊血病の猛襲に打ち勝つために、大量のレモンを発注したことから、その名声は高まります。スペインを含むヨーロッパ諸国において、レモンは中毒と感染症に効く万能薬として広く知られるようになるのです。

身体への作用

レモンの果皮を冷圧搾した精油(正しくはエッセンシャルオイル)はアロマテラピーに用いる精油の中でも最も軽い部類で、トップノートが優勢です。注意すべき点は、ベルガモット油やグレープフルーツ油などのように光感作性があり、紫外線を吸収しやすいことです。

東洋医学はレモンの性質を涼・燥とし、熱邪と湿邪を清め、痰を除く作用があるとします。うっ滞状態を除去し、浄化と解毒に最も適した精油の一つです。

グレープフルーツ油と同様、レモン油の湿熱を清め、痰を除く作用はリンパの流れを促す作用から生じます。そのため、肥満やセルライト、高脂血症、動脈硬化症に適します。さらに、尿路結石と胆石の除去を助ける結石溶解作用もあります。うっ滞状態にあり、働きすぎの肝臓の熱と毒を清めるこの精油は、吐き気や頭痛、イライラ、不眠症も解消する助けとなります。

レモン油には血液凝固予防作用があり、東洋医学の気の働きからみると、これは「血を動かす」作用。収れん作用もその一助となります。血行を改善し、血管を丈夫にすること精油は血管の破れや静脈瘤、痔、鼻血に用いることができます。高血圧にもよく、特にラベンダーやネロリ、メリッサの精油とのブレンドが効果的です。

レモン油の抗ウイルス作用は風邪や流行性感冒によく、特に黄色や青みを帯びた痰や鼻水が出るときによいのです。一般的な抗感染作用があり、空気の殺菌に効力を発揮します。病棟や託児所、家庭でもスプレーを作って散布すると良いでしょう。

湿邪や痰に侵されたときに、レモン油は効果的ですが、それは脾への作用にもよります。脾気の働きは飲食物の変容ですが、この働きがうまく行われないと、滞りがしばしば生じます。生理学的には、膵臓の働きを包括する脾の活性化をはかり、精神的な行き詰まりを解消する作用があるレモンは「土」に主に働きます。

心への作用

すっきりとした酸味が特徴のレモン油は、集中力を増し、「意」の働きを明瞭にさせ、高揚させます。気持ちを鎮めて明るくし、リフレッシュさせ、混乱をおさめ、不安をやわらげるように働きかけるのです。多血質の熱を冷まし、心配事や決断、障害物に打ちのめされた心を救うのです。

 

若さの女神 ユウェンタス

健康を維持する万能薬として長く定評のある、レモンの果実と精油を象徴するのはローマ神話の若さの女神ユウェンタス。レモンとその精油にふさわしい清々しい容姿です。

 

 

ハーブティー

レモンピールは、レモンの果皮を乾燥させたもの。フランスやイギリスでは昔から風邪を引いたときの飲み物として、お湯にレモンと砂糖を加えたホットドリンクを飲む習慣があります。

レモンピールティーには、抗菌、解熱作用があるので、熱を伴う風邪のときは、熱いうちに飲むとよいでしょう。また、爽やかな酸味が食欲を促すので、食べ物がのどを通らない時に役立ちます。

さらに、動脈の内壁が厚くなるのを防ぎ、静脈や血管、毛細血管を強くする働きもあります。打ち身のときや、静脈瘤を予防するために、このティーを飲むのも良いでしょう。

ティーに使う部分 果皮
主要成分 ビタミン類、フラボノイド、粘液質
作用 抗菌、抗酸化、解熱、利尿、食欲増進、刺激
香りと味 レモンの爽やかな香りと、軽い苦味。
飲み方 シングルまたはブレンドで、抽出時間は長めに、5分ぐらい。
注意点  
利用法 バスタブに入れて入浴する(疲労回復に)。

 

料理・薬膳・その他

のどの渇きを癒して、せきや吐き気を緩和する

体質 気滞・陰虚・陽熱
五性/五味 平/酸
帰経 肺、胃
主な作用 空咳、吐き気、美肌
注意点 のぼせがある人は、食べ過ぎに注意する。
【旬】9〜1月  【選び方】果皮がなめらかでハリがあり、色むらがないもの  【主な栄養素】カリウム、カルシウム、クエン酸、ビタミンC

体を潤して熱を冷まし、のどの渇きや空咳、めまい、吐き気などを解消します。柑橘類の中でもビタミンCの含有量はトップクラスで、美肌や風邪予防も期待できます。酸味のもととなるクエン酸や酒石酸は疲労回復を助けます。また、皮には気を巡らせる作用があります。

黄色の色素はエリオシトリンというフラボノイドのなかまで、高い抗酸化作用があり、がんや生活習慣病の予防に役立ちます。果肉だけでなく果皮にも多く含まれるので、農薬をよく落として皮ごと利用するとよいでしょう。

レモンの果実はフレッシュの状態で料理やお茶、お酒などの香り付けとして多く利用されています。生食の他、ジュースやお酒、コンフィチュール、ドライフルーツとしても楽しめます。レモンの果皮も乾燥させてレモンピールとして焼き菓子やチョコレート等のお菓子にも利用されます。

 

 

ガーデニング
 

分類 常緑低木
草丈 5m
性質 耐寒性、好日性
栽培のポイント

レモンは、ミカン科ミカン属の常緑低木です。レモンの木は樹高があまり高くならないので、ベランダでも育てやすい果実の一つです。春から初夏には芳香のある白い可愛らしい花を咲かせます。果実は卵型で酸味があります。果皮にも香りがあります。レモンの果実はグリーンから熟すと明るい黄色に変化します。

病害虫も比較的つきにくいため家庭でも育てやすいです。温暖な気候でよく育ちますが、柑橘類の中では耐寒性は弱い為、鉢植えでの管理のほうが育てやすい場合もあります。

屋外の日当たりのよい場所を好みます。レモンを元気に育てるには日光が大切です。乾燥気味を好み、過湿が苦手なので日当たりが悪く湿った環境は避けましょう。

寒さには弱いので、鉢植えのレモンは、冬は室内へ取りこむか、霜に当たらない場所へ移動させましょう。

レモンは風通しが悪くなると害虫の発生の原因になります。枝や葉が込み合ったら剪定をして風通しをよくしましょう。屋外で育てているレモンにはアゲハチョウの幼虫がつきやすいでので注意が必要です。卵のうちに見つけたら駆除しましょう。
病気はカイヨウ病に注意しましょう。柑橘系の果樹に多く見られる病気で、細菌が原因で発症します。かさぶたのような茶色、黒色の斑点ができます。雨風の強い場所やレモンのトゲが他の枝を傷つけると感染しやすくなります。見つけたら早めに切り取りましょう。

収穫と使用方法

レモンは果実を充実させるために、摘果を行います。枝がしなるほど1つの枝に果実が集中しているような場合は、少し間引くようにしましょう。鉢植えのレモンは、1つの枝に果実1つを目安に摘果を行ってください。

剪定は3月に行います。風通しと樹の中まで日が当たる様に、主軸から伸びている元気のよい枝を3本くらい残し、他の不要な枝を剪定します。剪定後は枝を横に誘引すると実がつきやすくなります。

植え替えは2、3年に一度、1~2回り大きな鉢に植え替えます。鉢の底から根が出てきたら、植え替えのサインです。根詰まりを起こす前に植え替えるようにしてください。

レモンの収穫期は冬です。11月頃からグリーンの果実を収穫出来るようになります。レモンらしいきれいな黄色に色づくのは12~3月です。少しグリーンの部分があっても室内で追熟させることが可能です。

増やし方

挿し木

レモンは挿し木で増やすことができます。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました