チェルノブイリ原発事故の10倍の放射能

民主党の原発再稼働決定の発表に際し、以前書いていた別のブログの記事を再度上げさせていただきたいと思う。チェルノブイリの原発事故がどれほどのものだったのかよく知った上で、流されるのではなく自分の意志で原発賛成や反対を判断してほしいと思う。恐ろしいのは、影響が出るのは何年も何十年も先で、その苦しみはそれから永遠に続くということ。

だいぶ前の記事でリンク元は消されてしまっていました。
他にリンク先を探しましたが、著作権侵害などを理由に消されているところが多かったです。

ただ、チェルノブイリの原発事故が人為的なミスではなく地震によるものという記事
http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-1079.html

某番組による事故当時の詳細な記事
http://www.ntv.co.jp/gyoten/0709gyoten/oa/070620/01.html

wikiの説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

そして、きーこさんのブログより、
チェルノブイリ事故直後に現地の調査にあたった科学者の証言をもとに再構成されたドラマ
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1504.html

などを発見しました。

きーこさんのブログには原発に関する記事がとにかくとてもたくさん載せられていて、とても勉強になります。
チェルノブイリ原発事故より最悪と言われている福島原発事故
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-date-201103.html

その中でも特に衝撃的なところの一部を抜粋させていただきます。
原発がどんなものか知ってほしい(全)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-49.html#more
平井憲夫
私は原発反対運動家ではありません

 私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

私、子ども生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。

 最後に、私自身が大変ショックを受けた話ですが、北海道の泊原発の隣の共和町で、教職員組合主催の講演をしていた時のお話をします。どこへ行っても、必ずこのお話はしています。あとの話は全部忘れてくださっても結構ですが、この話だけはぜひ覚えておいてください。

その講演会は夜の集まりでしたが、父母と教職員が半々くらいで、およそ三百人くらいの人が来ていました。その中には中学生や高校生もいました。原発は今の大人の問題ではない、私たち子どもの問題だからと聞きに来ていたのです。

 話が一通り終わったので、私が質問はありませんかというと、中学二年の女の子が泣きながら手を挙げて、こういうことを言いました。 

 「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウソつきのええかっこしばっかりだ。私はその顔を見に来たんだ。どんな顔をして来ているのかと。今の大人たち、特にここにいる大人たちは農薬問題、ゴルフ場問題、原発問題、何かと言えば子どもたちのためにと言って、運動するふりばかりしている。私は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被曝している。原子力発電所の周辺、イギリスのセラフィールドで白血病の子どもが生まれる確率が高いというのは、本を読んで知っている。私も女の子です。年頃になったら結婚もするでしょう。私、子ども生んでも大丈夫なんですか?」と、泣きながら三百人の大人たちに聞いているのです。でも、誰も答えてあげられない。

 「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、なぜ最初に造るときに一生懸命反対してくれなかったのか。まして、ここに来ている大人たちは、二号機も造らせたじゃないのか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ」と。ちょうど、泊原発の二号機が試運転に入った時だったんです。

 「何で、今になってこういう集会しているのか分からない。私が大人で子どもがいたら、命懸けで体を張ってでも原発を止めている」と言う。

 「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴びている。でも私は北海道から逃げない」って、泣きながら訴えました。

 私が「そういう悩みをお母さんや先生に話したことがあるの」と聞きましたら、「この会場には先生やお母さんも来ている、でも、話したことはない」と言います。「女の子同志ではいつもその話をしている。結婚もできない、子どもも産めない」って。

 担任の先生たちも、今の生徒たちがそういう悩みを抱えていることを少しも知らなかったそうです。

 これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題ではない、五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがいっぱい起きているのです。そういう悩みを今の中学生、高校生が持っていることを絶えず知っていてほしいのです。


原発がある限り、安心できない

 みなさんには、ここまでのことから、原発がどんなものか分かってもらえたと思います。

 チェルノブイリで原発の大事故が起きて、原発は怖いなーと思った人も多かったと思います。でも、「原発が止まったら、電気が無くなって困る」と、特に都会の人は原発から遠いですから、少々怖くても仕方がないと、そう考えている人は多いんじゃないでしょうか。

 でも、それは国や電力会社が「原発は核の平和利用です」「日本の原発は絶対に事故を起こしません。安全だから安心しなさい」「日本には資源がないから、原発は絶対に必要なんですよ」と、大金をかけて宣伝をしている結果なんです。もんじゅの事故のように、本当のことはずーっと隠しています。

 原発は確かに電気を作っています。しかし、私が二〇年間働いて、この目で見たり、この体で経験したことは、原発は働く人を絶対に被曝させなければ動かないものだということです。それに、原発を造るときから、地域の人達は賛成だ、反対だと割れて、心をズタズタにされる。出来たら出来たで、被曝させられ、何の罪もないのに差別されて苦しんでいるんです。

 みなさんは、原発が事故を起こしたら怖いのは知っている。だったら、事故さえ起こさなければいいのか。平和利用なのかと。そうじゃないでしょう。私のような話、働く人が被曝して死んでいったり、地域の人が苦しんでいる限り、原発は平和利用なんかではないんです。それに、安全なことと安心だということは違うんです。原発がある限り安心できないのですから。

 それから、今は電気を作っているように見えても、何万年も管理しなければならない核のゴミに、膨大な電気や石油がいるのです。それは、今作っている以上のエネルギーになることは間違いないんですよ。それに、その核のゴミや閉鎖した原発を管理するのは、私たちの子孫なのです。

 そんな原発が、どうして平和利用だなんて言えますか。だから、私は何度も言いますが、原発は絶対に核の平和利用ではありません。

 だから、私はお願いしたい。朝、必ず自分のお子さんの顔やお孫さんの顔をしっかりと見てほしいと。果たしてこのまま日本だけが原子力発電所をどんどん造って大丈夫なのかどうか、事故だけでなく、地震で壊れる心配もあって、このままでは本当に取り返しのつかないことが起きてしまうと。これをどうしても知って欲しいのです。

 ですから、私はこれ以上原発を増やしてはいけない、原発の増設は絶対に反対だという信念でやっています。そして稼働している原発も、着実に止めなければならないと思っていあす。

 原発がある限り、世界に本当の平和はこないのですから。

優しい地球 残そう子どもたちに

筆者「平井憲夫さん」について:

1997年1月逝去。
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。
「原発被曝労働者救済センター」は後継者がなく、閉鎖されました。

以下引用。
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これまでは、原発で事故が起こっても「放射性物質の流出はありません」という報道にホッとしていた。しかし、再処理工場は日常的に放射性物質を放出する。食料自給率が40%の日本を支えてきた東北や北海道の食べ物が汚染されていったとき、日本はどうなるのか。少子化が進む日本で、この問題はどう影響するのだろう。

熊本日日新聞(朝刊) 2007年 5月 15日 火曜日

チェルノブイリ原発事故で最も被害を受けたベラルーシやウクライナ。1990年以降、年に1、2回は現地を訪れ、被害者に対する医療支援にかかわっている。

現地に医薬品や医療機器を届ける活動の中で、ナターシャという中年の女性と出会った。彼女には2人の子どもがいたが、事故から10年ほどして息子さんが白血病と甲状腺がんを患って亡くなり、一昨年は娘さんが胃がんで亡くなった。

今、ナターシャは娘が残した幼い孫の世話をしている。しかし、「孫がいつまで元気でいてくれるだろうか。」自分自身も体調が良くないため、「いつまで孫の世話ができるだろうか」と心配している。

放射線による健康被害で特に怖いのは、細胞分裂が活発な子どもほど大きな被害を受けること。親よりも子どもが先に亡くなることが多い。そして、被害が長く続くことだ。

そんな被害の実態を見てきた者として、いま日本で起きていることを座視することができない。昨年3月、青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場が試運転を始めたのだ。今年11月には本格稼動する予定だ。

稼動が始まり、年800トンの使用済み核燃料が再処理されれば、多種類の放射性物質が大量に放出される。日本原燃の発表によると、空にはクリプトン 85という放射性物質がチェルノブイリ原発事故の10倍も放出され、海にはトリチウムやヨウ素129などの放射性物質を含む廃水が2日に1回、600トンも放出されるという。200kgのドラム缶に換算すると、1回に3,000本、年間で54万本分にもなる。

日本には、チェルノブイリ原発事故の後、放射能で汚染された食品の輸入を防ぐため、輸入食品が含む放射性物質(セシウム)の濃度の上限を1kg当たり370ベクレルに設定した。青森県は、同工場の操業により、魚が含むトリチウム濃度を、同300ベクレルと算出している。

これまでは、原発で事故が起こっても「放射性物質の流出はありません」という報道にホッとしていた。しかし、再処理工場は日常的に放射性物質を放出する。食料自給率が40%の日本を支えてきた東北や北海道の食べ物が汚染されていったとき、日本はどうなるのか。少子化が進む日本で、この問題はどう影響するのだろう。

こんな重大なことを多くの日本人が知らないまま、11月からの本格稼動が始まろうとしている。まずこの問題を、日本人みんなが知る必要がある。その上で「本当に再処理工場を稼動させるかどうか」を国民皆で考えたい。

そのために、「いま、私にできること」は何か。このエッセイも私にできることの一つである。

今週の『風の便り』 中村隆市公式ブログ
http://www.windfarm.co.jp/kazenotayori/archives/000311.html

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